飲食産業新聞

人混みで驚嘆!ウイークリーでも雨降りでも…

軽井沢プリンスショッピングプラザは別世界
マイルドヤンキーが中心(R16の平均的生活層)

2014.11.12

 朝晩は随分寒くなった。先日、軽井沢の紅葉を味わった。久しぶりに車で旧軽の別荘地辺りを周遊し、軽井沢プリンスショッピングプラザも訪れた。雨降りの平日であったが、駐車場はほぼ満杯、買い物をする人混みに驚いた。
 県内の商店街や街角の人通りはウソのようだ。軽井沢駅南口の広大なエリアに展開するショッピングモール。自然豊かなロケーションの中に、有名ブランドのアウトレット、インテリア、雑貨、アウトドアなど約二百もの多彩なショップが揃っている。
 ここに集まって来る消費者は俗にいう「マイルドヤンキー」と言われる人達である。このマイルドヤンキーを提唱した方は、「さとり経済」「ヤンキー経済」等の著者でマーケティングアナリストの原田曜平氏だ。
 マイルドヤンキーと呼ばれる方達は、一般的に地元(家から半径5㌔)から出たくない、「絆」「家族」「仲間」という言葉が好きで、SPモールが好きな人達を指すようである。また、生まれ育った地元指向が強く、郊外や地方都市に在住し、内向きで上昇指向が低いという見方もあり、山手線内のエリートはこういう人達や地方を見下しているとの指摘もある。
 いずれにせよ、この軽井沢プリンスショッピングプラザに集まる人達は、国道16号線から拡大した北関東、甲信越の団塊ジュニアからその下の皆さんが多いように見える。今、三十数年前を思い出しているが、当時の外食産業はこのルート16(国道16号線沿い)に積極的に店舗展開をしていた。ある大手外食産業の方はあるエリアを商品開発やマーケティングの重要なエリア(郊外型生活の見本)として位置付けていた。
 結論から言うと、R16が経済的なマーケティングの対象とされ、日本の「平均的生活」が作られた。要するに消費生活を中心としたこの生活様式は日本の平均的な生活として地方都市にも次第に波及し、全ての消費生活の原点といっても過言でない。郊外型消費生活のモデルが「R16の生活」、すなわちプチ東京なのである。このプチ東京が新幹線や高速道路で日本全国に飛び火していった。
 R16が消費生活の原点といったが、そのルート16(国道16号線沿い)にどんな都市があるか列挙してみた。八王子、所沢、入間、川越、さいたま、野田、柏、船橋、千葉、木更津、富津、横須賀、横浜、大和、相模原等で、都市部から半径三〇から四〇㌔圏にある。また、団塊の世代や次のニューファミリー層が住宅を求めたエリアである。
 さてこの軽井沢プリンスショッピングプラザに集まる人達は、R16から拡大した北関東、山手線外の全ての日本から、たまに遠出をして消費を楽しむニューファミリーの皆さんだ」と関係者は説明してくれる。言い換えれば、日本の最大の消費ターゲットである全てのチェーン店の客層、大型家電店、ディズニーランド、ショッピングモール、アウトレットなど巨大化した店舗に訪れる層ともいえる。

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 従って、この軽井沢ショッピングプラザは雨降りの日でもウイークリーでも混雑している訳である。更に来年3月14日から北陸新幹線が開通するため、北陸、信越方面からさらにお客様が増えることが予想される。ここに来て月内に衆院を解散し、12月中に総選挙をするという話が持ち上がって来た。10月末の日銀による金融緩和で政府与党内に再増税論が広がったが、地方経済も含めて中小企業の業績や個人消費はかなり圧迫されており、27年10月の消費税一〇㌫への引き上げは一年半後にしたいようだ。
 安倍晋三首相は三党合意もあり、増税に踏み切れば消費マインドがさらに冷え込み、「アベノミクス」の波及効果が縮み、経済の再生にも逆行しかねないという判断から、国民に問い大義をつくりたいということだろう。
 「マイルドヤンキー」と関係するかどうかは分からないが、最近ホットな情報がある。一九九〇年代の高校生の「ルーズソックス」の流行を覚えていらっしゃる方も多いだろう。スカートが短く、脚部にアクセントを加え、足を長く見せるというものだ。初めは仙台とか水戸で始まった流行といわれている。その「ルーズソックス」がまた流行って来ているという。以前より短くなっているようだが、高校生のみならず大人の女性も「ちょいクシュ」しているらしい。景気が良くなる兆候として政治も含めて良い傾向かも知れない。