2014.08.27(水)
大町市で有毒きのこ
「テングタケ」による
食中毒が発生に

 大町保健所管内で有毒きのこ「テングタケ」を食べたことによる食中毒が発生した。患者はこのきのこを食べた1名中1名で、現在も医療機関に入院中でだが快方に向かっている。
 この食中毒は8月26日午後5時頃、松本市内の医療機関から「きのこ中毒と思われる患者1名が搬送されてきた。患者は自宅で有毒きのこを喫食した可能性が考えられる」旨の連絡が松本保健所にあった。
 大町保健所による調査によると、患者は8月26日に大町市内の自宅付近で採取したきのこを、同日午前9時頃に茹でて食べたところ、目の前がチカチカし、その後嘔吐し、さらに意識不明となった。保健所できのこの残品を確認したところ、有毒きのこの「テングタケ」であった。またきのこの採取場所を確認したところ、「テングタケ」が自生していた。
 患者の症状は有毒きのこの「テングタケ」による症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、大町保健所は「テングタケ」を原因とする食中毒と断定した。
 参考までに長野県内(長野市含む)における植物性自然毒による食中毒発生状況(本件含む)は、平成26年度 (内長野市)1件 (0件)1名 (0名)、平成25年度 (内長野市)2件 (1件)5名 (2名)となっている。
 テングタケによる食中毒の特徴は傘は灰褐色~オリーブ褐色。表面には白色のいぼが多数散在し、ふちには条線がある。ひだは白色でやや密。古くなっても変色しない。柄の表面は小鱗片〜基部は球根状に膨らみ、つぼの名残がえり状になっている。初夏〜秋に広葉樹林の地上に発生する。
 症状は食後30分程度で嘔吐、下痢、腹痛など胃腸消化器の中毒症状が現れる。その他に神経系の中毒症状、縮瞳、発汗、めまい、痙攣などで呼吸困難になる場合もある。1日程度で回復するが、古くは死亡例もある。
[きのこ中毒防止のポイント]
○ 知らないきのこは採らない、絶対に食べない、人にあげない。
○ きのこの特徴を覚え、確実な鑑別をする。
○ 「柄が縦に裂けるきのこは食べられる」などの誤った言い伝えや迷信を信じない。
 なお、長野県ではきのこに詳しい方を「きのこ衛生指導員」として委嘱し、きのこに関する正しい知識の普及活動をしている。きのこ衛生指導員に関するお問い合わせは最寄りの保健福祉事務所(保健所)の食品衛生相談窓口へお尋ねする。もし、きのこ中毒だと思ったら、すぐに医師の診察を受ける。受診の際、原因と思われるきのこが残っている場合は持参する。
〈参考〉
〇 厚生労働省のホームページ ~自然毒のリスクプロファイル~
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/
〇 長野県のホームページ ~毒きのこにご注意を~
http://www.pref.nagano.lg.jp/shokusei/kenko/shokuhin/shokuchudoku/dokukinoko.html
この件のお問い合わせは大町保健所食品•生活衛生課 食品衛生係(次長)井川清海 (課長)伊沢幸光 (担当)吉田則康まで(電話0261-23-6528〈直通〉0261-22-5111〈内線2351〉FAX0261-23-2266)。
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