2014.09.29(月)
ツキヨタケの食中毒が発生
安曇野市の患者がムキタケと
間違えて採取して食べる!

 安曇野市で有毒きのこ「ツキヨタケ」を食べたことによる食中毒が発生した。患者らはこのきのこを食べた1グループ2名中の2名で全員快方に向かっている。なお患者らは「ツキヨタケ」を食用の「ムキタケ」と間違えて採取し、食べたとのことであった。
 事件の探知は9月28日午前11時20分頃、安曇野市内の医療機関から「毒きのこによる食中毒と思われる患者を診察した」旨の連絡が松本保健所にあった。

ツキヨタケ.png
ツキヨタケ

 松本保健所による調査結果によると、患者は9月27日に長野市内の山林で採取したきのこを、28日午前7時頃にバター炒めにして食べ たところ、同日午前8時頃から吐き気•嘔吐の症状を起こした。松本保健所できのこの残品を確認したところ、有毒きのこの「ツキヨタケ」であった。
 患者の症状は有毒きのこの「ツキヨタケ」による症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、松本保健所は「ツキヨタケ」を原因とする食中毒と断定した。

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 参考までに長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、平成26年度 (内長野市)
11件 (1件)1,253名(速報値) (10名)、平成25年度 (内長野市)20件 (3件)。また、長野県内(長野市含む)における植物性自然毒による食中毒発生状況(本件含む)は平成26年度 (内長野市)2件 (0件)、平成25年度 (内長野市)2件 (1件)となっている。

〈ツキヨタケによる食中毒の特徴〉
○ 傘は半円形~腎臓形で長径 10~25 cm、表面は初め黄褐色で、成熟すると紫褐色~暗紫褐色。 ○ ひだは淡黄色のちに白色。
○ 柄は短く傘の側方につき、ひだのつけ根につば様の隆起帯がある。
○ 柄の肉の内部に黒いしみがあるが、まれに無いものもある。
○ 夏〜秋に、ブナなどの枯れ木に多数重なりあって発生する。
〈症 状〉
○ 食後30分から1時間ほどで嘔吐、腹痛、頻回の下痢を起こす。
〈きのこ中毒防止のポイント〉
○ 知らないきのこは採らない、絶対に食べない。
○ きのこの特徴を覚え、確実な鑑別をする。
○ 「柄が縦に裂けるきのこは食べられる」などの誤った言い伝えや迷信を信じない。

もし、きのこ中毒だと思ったら、すぐに医師の診察を受ける。受診の際、原因と思われるきのこが残っている場合は持参する。 なお、長野県ではきのこに詳しい方を「きのこ衛生指導員」として委嘱し、きのこに関する正しい知識の普及活動をしている。きのこ衛生指導員に関するお問い合わせは、最寄りの保健福祉事務所(保健所)の食品衛生相談窓口へお尋ねください。