2017.01.07(土)

第一回「おにぎり食味会」を開催(おにぎり協会)
おにぎりに合うお米は「つや姫」「銀河のしずく」
「ゆめぴりか」など3銘柄の選定結果を発表に!

  一般社団法人おにぎり協会が、デビューから10年以内の品種から注目の9品種を選定、「おにぎり向きのコメ」かを8つの評価項目で評価する「おにぎり食味会」を実施、評価結果を発表した。
 通常10年以上の歳月をかけて行われる米の品種改良。昨年も『新之助』(新潟県)、『銀河のしずく』(岩手県)と、米どころから注目の新品種が誕生した。そこで一般社団法人おにぎり協会(東京都港区、中村祐介代表理事)では、デビューから10年以内の品種から注目の銘柄9品種を選定。  “おにぎり向きのコメか”を判断するため、「食味」「食感」「適度な硬さ」「ねばり」「のどごし」「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の8つの評価項目を設定し、日本初となる有識者による「おにぎり食味会」を開催した。
 食味会の実施日は2016年12月4日に行われた。参加メンバーは小池理雄(五ツ星お米マイスター 三代目小池精米店)、中村祐介(一般社団法人おにぎり協会代表理事)、清水むすび(一般社団法人おにぎり協会理事)〈敬称略〉。
 エントリー銘柄は『ゆめぴりか』(北海道/金賞ゆめぴりか)、『青天の霹靂』(青森県)、『銀河のしずく』岩手県)、『つや姫』(山形県/鶴岡市井上農場)、『ふくまる』(茨城県)、『新之助』(新潟県)、『みずかがみ』(滋賀県)、『結びの神』(三重県)、『おいでまい』(香川県)。
 実施方法は、すべての銘柄で同一炊飯器(三菱電機 ジャー炊飯器:本炭釜 KAMADO)を使用。研ぎ回数、浸水時間、水分量、炊飯方法(お急ぎモード)等、同一条件で炊飯。調理はすべて同一人物。いずれも海苔なしの塩にぎり。「炊きたて•にぎりたて」の状態で7項目、「にぎってから4時間後」に「冷めて旨い」を採点。8項目の基準に対し、審査員3名が5点満点(各項目15点満点)で採点。計8項目で120点満点。
 おにぎり評価8項目は「食味」(甘み、旨味)、「食感」(粒感)、「適度な硬さ」(歯ざわり、歯ごたえ)、「ねばり」(ねばり)、「のどごし」(のどで感じる心地よさ)、「くちほどけ」(上あごと舌など、口内で感じる心地よさ)、「包容力」(具材との相性、相性の良い具材の幅)、「冷めて旨い」(4時間後の食味全般)。※特に「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の3項目は、おにぎりに特化した評価項目として重視した。
 食味会結果は『つや姫』『銀河のしずく』『ゆめぴりか』の上位3銘柄が入賞した。個別評価は、今回調査で最も評価が高かったのは山形県産『つや姫』(合計97点)で、この品種の特長でもある「粒感」(13点)や、おにぎりで重要な要素とされる「包容力」(14点)「冷めて旨い」(11点)の3要素でトップ評価された。
 その他の要素もすべて全体の2位評価と、全8項目においてバランスのよさが際立ち、トータル97点と極めて高い評価となった。「甘みの広がりは特筆もの。張りがあって粒の中身の味が分かる。米飯としては非常に食べ応えのある、力のある逸品である」(小池)や「粒感があって、おにぎりとして食べると食べごたえもあり、楽しめる」(中村)と、コメそのものが持つポテンシャルを審査員全員高く評価した。
 続いて評価が高かったのは、岩手県産『銀河のしずく』(合計91点)。「食感」(13点)「適度な硬さ」(12点)「のどごし」(13点)の3項目でトップ評価。「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の3項目で2位評価が。「口の中でぱらぱらとひと粒ひと粒が離脱する感じ。甘みもしっかりと伝わるのでおにぎりとして非常によい」(小池)と、ごはんの状態よりも、おにぎりにした時に力を発揮する銘柄として選ばれた。
 次いで3位は、北海道産『ゆめぴりか』(合計87点)。市場でも評価の高い「食味」(13点)、特徴的な「ねばり」(14点)、おにぎりで最も重要な「冷めて旨い」(11点)の3項目でトップ評価。「粘りがあるため包容力がある、冷めてからの甘みを強く感じる」(小池)や「冷めてからも甘みがある」(中村)との声がある一方、「くちほどけしにくい」「個性的な銘柄ゆえ、おにぎりにすると好みが分かれる」といった意見が聞かれた。
 次点は、香川県産『おいでまい』(合計83点)。「食感」(13点)でトップ、「適度な硬さ」(11点)「のどごし」(12点)で2位と、全体的にバランスの良さは高く評価されたが、「ほどけがやや早く、味が薄いため、ほどけの早さで印象に残らない。粒がしっかりしているだけに非常に惜しい」と、残念ながら入賞を逃した。
 茨城県産『ふくまる』は、「粒の存在感が秀逸」(小池)と、「食感」(13点)「くちほどけ」(13点)の2項目でトップ評価であったが、4時間後の食味(冷めて旨い)の項目で評価を落とした。青森県産『青天の霹靂』は、粒の大きさや包容力を評価されたものの、食味に関しては総じて厳しい評価。新潟県産『新之助』は、具材との相性は良さで評価を得るものの「米どころ新潟の期待品種というには凡庸」との評価であった。
 三重県産『結びの神』は、粒の存在感を評価されるも、「味が薄くほどけが早い」とおにぎりとしては厳しめの印象。滋賀県産『みずかがみ』は、ごはんとしての食味の評価は高かったのだが、「くちほどけ」や「冷めて旨い」といったおにぎり特有のポイントで評価を下げた。


〈概要〉
名称  : 一般社団法人おにぎり協会(英文名 Onigiri Society)
結成  : 2013年2月
設立  : 2014年2月20日
代表理事: 中村祐介
所在地 : 〒107-0062 東京都港区南青山1-15-37(株式会社エヌプラス内)
Web   : http://www.onigiri-japan.com/
YouTube : http://www.youtube.com/OnigiriSociety
Twitter : http://www.twitter.com/OnigiriSociety (日本語)
 http://www.twitter.com/OnigiriSocietyE (英語)
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