2017.03.12(月)

伊那市内の飲食店で

アニサキス(寄生虫)の

食中毒が発生に

  12日、伊那保健所は伊那市内の飲食店を食中毒の原因施設と断定し、この施設の営業者に対し3月12日の1日間の営業停止を命じた。患者は3月9日にこの施設で食事をした1グループ21名中の1名で、患者が受診した医療機関において、患者の胃内から寄生虫のアニサキスが摘出された。なお、患者(伊那市在住)はすでに回復している。      
  この食中毒は3月10日、伊那保健所に伊那市内の医療機関から「胃腸炎症状を呈した患者の胃内からアニサキスを摘出した」旨の連絡があった。伊那保健所による調査結果、患者は3月9日に当該施設で食事をした1グループ21名中の1名で、3月10日午前5時頃から腹痛及び冷汗の症状を呈していた。
  医療機関による内視鏡検査で患者の胃内からアニサキスが摘出されたこと、患者の症状はアニサキスによる食中毒の症状と一致していたこと、患者が3月1日以降で海産魚介類の生食をしたのは当該施設のみであったこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、伊那保健所はこの施設の食事を原因とする食中毒と断定した。
  参考までに刺身の盛り合せの主な内訳はシメサバ、ブリ、ヒラメ、マグロ、サーモン、甘エビ等だ。長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、平成29年度(うち長野市)12件(5件)275名(95名)、平成28年度(うち長野市)15件(5件)162名(24名)となっている。
 
<アニサキスによる食中毒の特徴>
  アニサキスは海産魚介類や海産哺乳類に寄生する寄生虫。アニサキス食中毒の原因となるのはこの幼虫で、サバやイカなどの内臓や筋肉に寄生している。アニサキス幼虫を生きたまま摂取すると、胃壁や腸壁に侵入することがあり、アニサキス症を起こす。
<症状>
  潜伏期間は早いもので1時間、遅いもので36時間だが、約7割は8時間以内に発症する。症状は、激しい胃痛、吐き気、嘔吐等だが、胃壁等に侵入している虫体を取り除けば回復する。
<主な原因食品>
  魚介類(サバ、アジ、イカ、サンマ等)の刺身のほか、酢漬けや醤油漬けも原因食品となる。
<予防方法>
・アニサキスは加熱に弱いので、魚介類は中心部までよく加熱しましょう。
・アニサキスは-20°Cで24時間以上の冷凍で死滅する。
・アニサキスは魚の内臓に寄生することが多いので、生食するときは内臓を除去しましょう。
・調理の際は細かく切る、よく噛んで食べるなどの方法も有効。
・魚を調理する際は明るい所で行い、寄生虫がついていないかよく確認しましょう。
 
  この件のお問い合わせは伊那保健所 食品•生活衛生課 (次長)山崎敏彦 (課長)小野充志 (担当)浅樋 一郎まで(電話0265-76-6839<直通>  0265-78-2111<内線2141>  FAX0265-76-6886  E-mail inahoshokusei@pref.nagano.lg.jp)。