2017.09.10(月)

上田保健所管内の飲食店で

腸管出血性大腸菌による食中毒

発生!

  10日に上田保健所は、上田市内の飲食店「モスバーガー アリオ上田店」を食中毒の原因施設と断定し、この施設の営業者に対し、9月10日から9月12日まで、3日間の営業停止を命じた。
  患者は8月20日に この施設が提供した食事を喫食した4グループ8名中の4グループ4名で、環境保全研究所が行った検査により、患者便から腸管出血性オー大腸菌O121が検出された。 なお、患者は全員快方に向かっている。
  この食中毒は8月29日から9月4日にかけて、県内保健所に医療機関から腸管出血性大腸菌感染症発生届があり、患者(長野市、上田市、小諸市在住)へ聞き取りを行ったところ、この施設の食事を共通して喫食していることが判明した。
  上田保健所による調査結果によると、医療機関等の検査で患者4名の便から腸管出血性大腸菌O121が検出されたこと、患者はこの施設で8月20日に調理し、提供した食事を喫食した4グループ8名中の4グループ4名で患者4名の共通食はこの食事のみであったこと、患者4名は腹痛、下痢、発熱等の腸管出血性大腸菌の一般的な症状を呈しており、またこの施設における喫食から発症までの潜伏時間は、腸管出血性大腸菌の一般的な潜伏時間と一致していていたこと、環境保全研究所が行った検査により、患者3名から検出された腸管出血性大腸菌O121の遺伝子型が一致したこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、上田保健所はこの施設で提供された食事を原因とする食中毒と断定した。
  参考までに患者らへ提供されたメニューはハンバーガー類、フライドポテト等であった。長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、平成30年度(内長野市)5件(1件)44名(1名)、平成29年度(内長野市)16件(6件)419名(184名)となっている。
 
<腸管出血性大腸菌による食中毒とは>
[特徴] 腸管出血性大腸菌は、主に牛や羊など反芻動物の腸管内に生息していることがある。食肉の生食あるいは加熱不十分で提供されたひき肉料理などが、原因食品となることが多くある。また牛の糞便に汚染された川の水や農作物が原因となることもある。熱に弱く、75°C、1分間の加熱で死滅するが、感染力が強く50個程度の菌量で食中毒を起こすことがある。
[症状] 潜伏期間は2~7日(平均3~5日)と長く、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れるが、重症化 すると、激しい腹痛と血便を主症状とする出血性大腸炎を発症し、まれに溶血性貧血や溶血性尿毒症症候群(HUS)などを併発する。幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので特に注意が必要だ。
[予防方法] ★トイレの後、調理の前、調理中、食事の前は、石けんでよく手を洗いましょう。★腸管出血性大腸菌に対して感受性の高い幼児や高齢者は、食肉の生食など感染源となる可能性が高い食材は避けましょう。★焼肉などの場合は、生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けて、肉の中心部まで十分に加熱してから食べましょう。★生野菜はよく洗ってから食べましょう。★生肉を扱ったまな板、包丁などは菌が付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の
食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってか ら、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒しましょう。
 
  この件のお問い合わせは上田保健所 食品•生活衛生課 食品衛生係 (次長)日向一夫 (課長)小池裕司 (担当)松本泉まで(電話0268-25-7152<直通>  0268-23-1260内線2314  FAX0268-25-7179  E-mail uedaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。