2017.09.27(木)

駒ケ根市内の社会福祉施設で

ウエルシュ菌による食中毒

発生する!

   27日、伊那保健所は駒ケ根市内の社会福祉施設「こまちの家」を食中毒の原因施設と断定した。患者は9月17日に、この施設が開催したイベントで提供された食事を喫食した57名中の40名で、松本保健所が行った検査により、患者便からウエルシュ菌が検出された。この施設は9月20日から調理業務を自粛している。なお患者は全員快方に向かっている。
   この食中毒は、9月18日にこの施設から「施設利用者5~6名が胃腸炎症状を呈している」旨の連絡が伊那保健所にあった。伊那保健所の調査によると、患者らはこの施設が9月17日に提供した食事を喫食した57名中の40名(駒ケ根市、伊那市他在住)で、9月17日午後4時頃から下痢、腹痛等の症状を呈していた。
   患者はこの施設で調理された食事を共通して喫食していたこと、松本保健所が行った検査により、患者便からウエルシュ菌が検出されたこと、患者の症状はウエルシュ菌による食中毒の症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、伊那保健所はこの施設で提供された食事を原因とする食中毒と断定した。
   参考までに患者らへ提供されたメニューは、9月17日の昼食が吹き寄せ(煮物)(カボチャ、ゴボウ、栗、生麩、五目 シンジョ)、赤飯、天ぷら(エビ、サツマイモ、ナス、マイタケ)、赤魚の塩焼き、厚焼き玉子、野菜ピクルス、みかん、すまし汁等であった。
   長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、平成30年度(内長野市)8件(2件)88 名(3名)、平成29年度(内長野市)16件(6件)419名(184名)となっている。
 
<ウエルシュ菌による食中毒>
   [特徴] ウエルシュ菌は、ヒトや動物の腸管、土壌など自然界に広く住み着いている。この菌は酸素を好まない(嫌気性)菌で、芽胞(がほう)と呼ばれる胞子のような形態をとることがあり、その状態だと熱や乾燥に非常に強い特徴を持っている。食品を大釜などで大量に加熱調理すると、中心部が無酸素状態になり、芽胞の状態で生き残ったウエルシュ菌が適温になると発芽し、活発に発育を始める。こうしたウエルシュ菌が多数増殖した食品を人が食べることにより、食中毒を発症する。
   [症状] 潜伏期間は6~18時間と比較的短く、その主な症状は水様性の下痢と腹痛。多くは1~2日で回復し、特別な治療は必要ない。
   [予防方法] カレー、シチューなどの煮込み料理や野菜の煮物は、調理したらなるべく早く食べるようにしましょう。一度にたくさん作った時は、本菌の発育しやすい45°C前後の温度を長く保たないようにしましょう。 具体的には小分けしてから急速に冷却(15°C以下)し、冷蔵もしくは冷凍保存しましょう。 また、食品を温め直すときはかき混ぜながら中心部まで十分に火が通る(75°C以上)ようにしましょう。「加熱したから大丈夫」といった過信は禁物だ。
 
  この件のお問い合わせは伊那保健所 食品•生活衛生課 (次長)山崎敏彦 (課長)小野充志 (担当)矢島 康宏まで(電話0265-76-6839<直通>  0265-78-2111<内線2141>  FAX0265-76-6886 
E-mail inaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。