2019.11.25(月)

<外食市場10月の動向>

台風が連休を直撃する!

売上は前年を下回る


   10月の全体概況は、東日本に大きな被害をもたらした台風19号が連休を直撃し、関東地方の多くの店が休業•営業時間短縮を余儀なくされ、すべての業態で客数が前年を下回った。10月は消費増税が始まり、一部では店内飲食と持ち帰りの税込価格を統一するなど各社対応に追われた。レストランや居酒屋など店内飲食中心の業態では、月前半を中心に客足にマイナスの影響がみられたところもあった。売上げはFF以外の業態で前年を下回り、全体の売上げは97.6%となった。
   業態別概況では、ファーストフード業態は台風の影響はあっても「洋風」「和風」は堅調に推移したことで、全体売上げは100.6%と前年を上回った。軽減税率導入の影響でテイクアウト比率が上がるところもあった。
   「洋風」は期間限定商品の好評もあり、売上げは105.0%。「和風」は季節商品の前倒しや定食メニューのキャンペーン頻度を増やすなどで客単価上昇、売上げ102.2%。「麺類」は増税対策のクーポン配布が奏功したところもあったが、台風で被災して店舗の長期休業を余儀なくされたところもあり、売上げ95.7%であった。
   「持ち帰り米飯•回転寿司」は、コンビニとの競合が強まった持ち帰り米飯もあり、売上げは97.5%。「その他」は「アイスクリーム」が昨年の携帯会社とのコラボキャンペーンの反動で客数が大幅に減少し、売上げは85.4%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは94.7%と前年を下回った。「洋風」と「和風」はフェア品などで好調なところもあったが、客足が伸びない最近の傾向は変わらず、さらに台風と消費増税の影響で客数が大幅に下がり、売上げは「洋風」92.2%、「和風」91.9%となった。「中華」は、各種キャンペーンや店舗増などにより、売上げは102.3%。「焼き肉」も店舗増で売上げは100.8%とわずかに前年を上回った。 
   パブ•居酒屋業態の飲酒業態は、前月に続きラグビーW杯のおかげで「パブ・ビアホール」の集客が好調で、売上げ102.7%。「居酒屋」は店舗減とお盆以降の集客低調に加え、台風による休業が響き、売上げは91.4%となった。
   ディナーレストラン業態では台風と消費増税の影響で月前半を中心に客足が振るわず、売上げは96.6%となった。喫茶業態は月前半は比較的堅調だったものの、台風以降に客足が鈍り、売上げは97.7%となった。