2020.08.25(火)

<外食市場7月の動向>

新型コロナウイルスの感染再拡大により

回復傾向にブレーキ


   7月の全体概況は前半の店内飲食に回復傾向がみられ、ファーストフードなどのテイクアウト需要の伸びとあいまって、外食全体の売上げは前年比85.0%となった。しかし、月半ばからは東京•大阪等でのコロナ感染の再拡大や、小中学校の夏休みの短縮、西日本等を中心とした長雨などが客足に影響し、多くの業態で依然として厳しい状況が続いている。
   また、立地•業態間で回復のばらつきがあり、住宅地に近い“郊外立地”の店舗は比較的回復の一方、“繁華街立地”の店舗は苦戦が続いている。さらに、飲酒を伴う業態では他業態より回復が遅く(パブ•居酒屋前年比47.2%、ディナーレストラン65.5%)、月の後半には客数の前年比が再び降下し始め、回復への道のりはまだ遠い。
   業態別概況では、ファーストフード業態のFFは業種間で差がみられるものの、店内飲食の回復とともに、テイクアウト•デリバリー需要の牽引で全体売上げは96.4%と、減少幅は前月(88.2%)より縮小した。
  「洋風」はキャンペーンなどの好調に加え、新型コロナ感染再拡大による巣ごもり需要もあり、ドライブスルー等、テイクアウト•デリバリーが好調で、売上げは再び105.1%と前年を超えた。「和風」は持ち帰り訴求のCM等が奏功したところもあり、売上げは回復基調の96.1%。「麺類」は引き続き商業施設立地店の回復がやや遅く、売上げは79.8%であった。
  「持ち帰り米飯•回転寿司」は、回転寿司の回復が一服し、売上げは94.7%となった。「その他」は、「アイスクリーム」が梅雨明けの遅れ等から気温が上がらず足踏みの中、売上げは87.0%となった。
   ファミリーレストラン業態のFRは、月後半に客足が鈍り回復傾向がやや鈍化、全体売上げは77.4%となった。「洋風」「和風」は、例年の夏休み需要がなかったこともあり回復鈍化、売上げはそれぞれ72.5%、72.2%。「中華」も回復が一服して売上88.6%。「焼肉」は各社まちまちとなったが、郊外立地の店舗が月前半に回復したことで95.3%となった。
   パブ•居酒屋業態の飲酒業態は、住宅地に近い郊外店を中心に客足が戻るなどで月前半には回復がみられたものの、コロナ感染が全国的に広がるにつれ、月半ばから再び客数は減少傾向。「パブ•ビアホール」は売上げ35.0%、「居酒屋」は50.0%と前年の半分程度で、壊滅的な状況が続いている。
   ディナーレストラン業態では、ディナーレストランは法人需要が見込めない中、個人客や家族宴会を中心に月前半には回復傾向となったものの、コロナ感染の再拡大とともにキャンセルが相次ぎ、月後半は失速した。売上げは弁当販売が下支えし、65.5%となった。喫茶業態はテレワーク等によりビジネス街立地での朝•昼需要が伸びず、回復はやや遅く売上げは66.8%となった。