2021.03.25(木)

<外食市場2月の動向>

「緊急事態宣言」延長により

売上げは依然厳し!


   2月の全体概況は、政府が1都3県に再発令した「緊急事態宣言」の期間が延長され、自治体の要請により飲食の店内営業は20時まで、酒類は19時までの提供が続き、客足が戻る兆しはあったものの伸び悩んだ。コロナ下の外食事業はもはや営業日数•休祝日数の比較では、語れないほど厳しい状況下にあり、外食全体の売上げは前年比77.7%と、今年1月よりもさらに落ち込んでいる。特に飲酒業態にとって酒類提供の時間短縮は致命的で、「パブ・居酒屋」の売上げは対前年比29.3%となった。
   業態別概況ではファーストフード業態のFFは、洋風の巣ごもり需要に引き続き堅固さがみられたが、電子決済アプリとのコラボキャンペーン等で好調だった前年には及ばず、全体売上げは91.3%となった。 
   「洋風」は宣言継続下でドライブスルーやデリバリーの需要が堅調、まとめ買いにより客単価114.4%、売上げ101.5%となった。「和風」はテイクアウトが堅調だったものの、営業時間短縮の打撃が大きく売上げ83.4%。「麺類」も同様にコロナの影響下で売上げは71.1%となった。
   「持ち帰り米飯•回転寿司」は、20時以降のテイクアウト需要が顕著に増加したものの、「回転寿司」等の店内飲食が振るわず売上げは95.7%。「その他」は「アイスクリーム」が緊急事態宣言期間の延長で大規模商業施設での客足が振るわず、売上げ82.5%となった。
   ファミリーレストラン業態のFRは、コロナ禍で取り組み始めたテイクアウトが伸びているものの、引き続き営業時間•酒類提供時間の短縮を強いられ、全体の売上げは67.6%となった。2月後半から客足がやや持ち直すかに見えたが、時短営業の延長で売上げは「洋風」66.6%、「和風」62.9%。「中華」は店外売上げへの注力が奏功し85.2%。「焼肉」は宣言期間延長の中、休業した店舗もあり、売上げは62.8%であった。
   パブ•居酒屋業態の飲酒業態は、酒類提供時間の制限下で休業を続ける店舗も多く、「パブ•ビアホール」は売上げ24.1%、「居酒屋」は売上げ30.5%となった。駅前など繁華街立地の店舗は特に苦戦が続いている。
   ディナーレストラン業態は2月後半は週末を中心に客足がやや戻る店舗もあったが、営業時間短縮の影響は甚大で売上げは53.7%となった。喫茶業態は 月後半にかけて少しずつ客足回復の兆しはあるものの、外出自粛や在宅勤務が継続する中で回復は限定的、売上げは67.4%となった。