2022.12.26(月

<外食市場11月の動向>
コロナ第8波は行動制限なくも、消費者の
行動自粛がとくに夜間営業に影響


   一般社団法人日本フードサービス協会(略称:JF=ジェフ、本部東京都港区 近藤正樹会長)は、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2022年11月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同 月比に加えて2019年同月比も算出し掲載している。
   全体概況では、11月の外食は、コロナ第8波が拡大中も行動制限がなく、相次ぐ価格改定に加え、インバウンド受け入れや全国的な旅行支援が10月から実施され、おおむね表面上の売上数値は伸びて対前年比108.9%となった。
   だが原材料費、エネルギー費、人件費等の高騰は価格改定ではカバーしきれないほど大きい。更に自粛気味の消費マインドが加わり、とくに夜間の客数が振るわず、全体として勢いのある回復とは言えない。事業継続の足かせがほぼ無くコロナ前の外食シーンに戻りつつある欧米とはかけ離れた状況となっている。
   業態別概況ではファーストフード業態の全体売上げは109.2%、19年対比は111.6%となった。
「洋風」はサッカーW杯にちなんだ期間限定メニューなどの充実でテイクアウト•デリバリーが堅調、売上げは111.7%。「和風」は新商品が好評で売上げ108.1%。「麺類」は客数減•店舗数減の中、店内飲食の回復や季節メニューの好調により、売上げは106.8%となった。
   「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」の単価が高めの商品や 「回転寿司」の低価格キャンペーンなどで売上げ106.5%。「その他」は「アイスクリーム」がテイクアウト商品の堅調に加え、イートイン商品も好調、「カレー」はキャンペーンやトッピング販売が奏功し、売上げは105.1%となった。
   ファミリーレストラン業態の全体売上げは前年比107.5%、19年比では93.9%となった。「洋風」は価格改定による客単価上昇に加え客数増もあり、売上げ108.9%。「和風」は全国旅行支援の効果もあり、売上げ108.1%。「中華」は店内飲食、店外消費ともに好調で売上げ109.3%。「焼き肉」は夜間の客の戻りが思わしくなく売上げは100.2%となった。
   パブ•居酒屋業態はコロナの感染者数は増加したが、昨年に比べコロナ慣れのためか、個人客にはあまり影響がなく、コロナ拡大を見越した忘年会の先取りやサッカーW杯の観戦需要などがあり、飲酒業態全体の売上げは前年比で114.7%となった(「パブ•ビアホール」124.4%、「居酒屋」110.2%)。しかし法人の宴会需要や夜遅くの需要は未だ戻らず、19年比では61.4%に留まった。
   ディナーレストラン業態は全国旅行支援やインバウンド需要で客数は増加しつつあり、売上げは108.1%となったが、一部では人手不足による営業時間の短縮やコロナによる入店者数の制限などがあり、19年比では84.5%となった。喫茶業態は夜間の来店は回復が鈍いものの、昼間は季節メニューの好調で客足の戻りが早く、売上げは前年比111.4%、19年比では87.2%であった。

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