2024.05.27(月) |
<外食市場4月の動向>
訪日外客需要などで売上堅調だが
物価高騰が実質成長の勢いを削ぐ
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4月の全体概況は全国的に桜の開花が遅れたことで花見需要が昨年より増え、また春の歓送迎会の後押しもあり、外食全体の売上げは前年比106.0%、19年比115.1%となった。全国各地では国内外からの観光客の消費が活発であったが、コロナ禍が明けて一年近くが経つ現在、物価高騰が続き、低価格重視の消費志向が高まる傾向にあり、利益を伴う売上増はおおむね前年ほどではない 。
業態別概況ではファーストフード業態は引き続き好調で売上げ105.4%、19年比では128.6%となった。「洋風」は割引キャンペーンの集客が従前に及ばなかったものの、高付加価値メニューの好調で売上げ104.3%。「和風」は販促キャンペーンやお得メニューの充実で夕食需要が高まり売上げ106.7%となった。
「麺類」は人気メニューの店頭訴求などが奏功し、売上げ110.2%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、客単価が伸びて売上げは101.3%となった。「その他」は4月の高温傾向の中で「アイスクリーム」が好調で、売上げ111.4%となった 。
ファミリーレストラン業態は全体売上げ107.0%、19年比では106.1%となった。「洋風」は注文するメニュー品目数の増加などで客単価が上昇、売上げは109.2%となった。「和風」は歓送迎会や花見に一定の需要があり、売上げ106.9%となった.「中華」は販促キャンペーンの展開で好調を維持し、売上107.7%。「焼き肉」は昨年比で休日数が減少し客数も減少、昨年の販促キャンペーンの反動などで、売上げ98.9%となった 。
パブ•居酒屋業態は「パブ・ビアホール」で週末の天候不良が若干影響したが、人流の回復傾向や年度初めの歓送迎会の需要で、売上げ105.7%、19年比で69.1%となった 。ディナーレストラン業態は花見需要のずれ込みで、訪日外客をはじめとした利用客と客単価が増加し、売上げは103.5%となった。喫茶業態は客数の回復が堅調で、大型商業施設や観光地などで継続して売上げが伸び、季節メニューの好評とあいまって、売上げ108.6%となった。
