2024.07.25(木)

<外食市場6月の動向>
遅い梅雨入りで客数は増えたが
物価高騰が実質消費を抑制する


   一般社団法人日本フードサービス協会(略称JF、東京都港区、久志本京子会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査 2024年6月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計している。なお、2019年同月比につきましては、新型コロナの5類移行から満1年が経過したため、2024年5月度を以て掲載を終了した。
   6月の全体概況は前年より土曜、日曜がそれぞれ1日多く、また梅雨前線の停滞で全国的に梅雨入りが遅く、雨天日が少なかったことにより、街の人出が増え、訪日外国人客の需要も変わらず堅調で、外食全体の売上前年比112.4%となった。だが終わりの見えない物価高騰の中で、値頃感のある商品へ移行する消費者が増え、実質消費支出減少傾向にある。
   業態別概況ではファーストフード業態(FF)は、FF好調が続き、売上げは111.9%となった。「洋風」は夜間メニューの充実、ランチメニューの値下げなどが貢献し、売上げ110.7%。「和風」はクーポンやアプリによる集客、新規出店などが奏功し、売上げ112.2%。「麺類」は新商品や冷たいメニューが好調で、売上げ114.6%となった。
   「持ち帰り米飯/回転寿司」、15日の「父の日」に向けたキャンペーンを展開、特に西日本で
価格訴求型メニューへの反応が良く、売上げ105.5%となった。「その他」では「アイスクリーム」の価格割引キャンペーンが好評で、売上げ127.8%となった。
   ファミリーレストラン業態(FR)では、FR全体売上げ114.7%となった。「洋風」は父の日をじめ週末の客数増に接客要員などを増やして対応、売上げ114.0%となった。「和風」は食べ放題キャンペーンや訪日外客に人気のメニューが貢献し、売上げ116.6%となった。「中華」は生ビール割引キャンペーンなどにより、売上げ113.9%。「焼き肉」は土休日が多い曜日回りと団体客の取り込みで、売上げ114.9%となった。
   パブ•居酒屋業態では、「パブ•居酒屋」「パブ•ビアホール」で雨天の少ない天候が売上げを押し上げ、「居酒屋」で訪日外客の需要もあり、売上げ106.8%となった。
   ディナーレストラン業態は人手不足問題深刻だが、夜間の利用がやや増え、訪日外客の底堅い支持と相まって、売上げ111.2%となった。喫茶業態は遅い梅雨入り、SNSを活用した集客、月後半の高気温に対応した冷たいドリンク類の好調などにより、売上げは109.8%となった。

   この件のお問い合わせはJF事務局 松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。