2024.10.25(金)

<外食市場9月の動向>
休祝日が多く客足堅調、残暑の中
冷たい商品と季節メニューが共存

  一般社団法人日本フードサービス協会(JF=ジェフ 東京都港区 久志本京子会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2024年9月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計している。なお、2019年同月比につきましては、新型コロナの5類移行から満1年が経過したため、2024年5月度を以て掲載を終了した。

   全体概況では9月は2度の三連休と日曜が1日多い曜日周りで、客足は堅調に推移した。また9月までの累計訪日外客数が昨年1年間を既に上回り、売上増に寄与した。天候面では全国的に残暑が厳しく、各地で9月の観測史上最高の気温を記録し、冷たいドリンク類などが売れた。加えて季節定番メニューも堅調な売れ行きを見せ、外食全体の売上げは前年比108.2%となった。
   業態別概況はファーストフード業態(FF)は引き続き好調となり、売上げ106.9%となった。洋風は、月見シーズンの定番メニューが各社で好評、売上げ104.1%となった。和風は季節メニューと割引キャンペーンで集客し好調、売上げは111.0%。
   麺類は雨天が少なく人出が増え、サイドメニューの売れ行きも好調、売上げ110.8%となった。持ち帰り米飯/回転寿司は、CMが奏功し新商品が好調のうえ、地方にも波及した訪日外客需要などにより、売上げ105.1%となった。その他は「アイスクリーム」が休祝日の増加と残暑の居座りで売上げを伸ばし、111.8%となった。
   ファミリーレストラン業態(FR)の全体売上げ111.5%となった。洋風はフェア商品やタレントを起用した秋のキャンペーンのCMなどで集客、売上げは113.3%となった。和風は初旬の台風の影響にも負けず、松茸や鮭など秋の食材フェアが奏功し、スマ ホアプリによる若年層へのアピールも加わって、売上げは112.6%となった。中華は創業記念の割引クーポンなどで集客増、売上げ108.4%。焼き肉は昨年好評のキャンペーンを今年も展開し、主要メニュー価格を据え置くなどで、売上げは107.2%となった。
   パブ・居酒屋業態は初旬に台風の影響を受けるも、それ以降は2度の3連休(シルバーウィーク)でインバウンドなどの集客堅調、季節の新メニューの好評、引き続き好調なビールの売れ行きなどで、売上げ104.2%となった。
   ディナーレストラン業態は、日曜日が1日多く、集客は順調に増加、底堅い訪日外客需要とあいまって、売上げは105.6%となった。喫茶業態は残暑が厳しく冷たいドリンクの売れ行きが伸び、ショッピングセンターや百貨店で客足が増え、売上げは110.1%となった。

   この件のお問い合わせは、JF事務局の松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。