「信州の伝統野菜」に新たな2品目が認定!
第24回信州伝統野菜認定委員会を1月24日開催



 長野県農政部は地域で育まれてきた伝統野菜のうち、一定の基準を満たすものを「信州の伝統野菜」として選定・認定する「第24回信州伝統野菜認定委員会」を1月24日に開催した。県庁議会棟403会議室で審議が13:30~15:30まで行われた。
 「信州の伝統野菜」の選定については、「河童瓜 」「糸萱かぼちゃ」の2品目、「信州の伝統野菜」伝承地栽培認定については、「源助蕪菜(飯田かぶ菜)」の1品目〈更新〉、「信州の伝統野菜」伝承地栽培認定証票使用については、「羽淵キウリしょうゆ漬け」「羽淵キウリ粕漬け」の2商品〈新規〉が審議され認定された。

河童瓜.png
河童瓜

糸萱かぼちゃ.png
糸萱かぼちゃ

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源助蕪菜(飯田かぶ菜)

 伝承地栽培認定された野菜は、「おいしい信州ふーど〈風土〉」ヘリテイジに該当する。長野県内で栽培されている野菜のうち、「来歴」「食文化」「品種特性」について一定の基準を満たしたものを「信州の伝統野菜」として選定している。選定された「信州の伝統野菜」のうち、伝承地で栽培されている伝統野菜及び一定の基準を満たした生産者グループに対し、伝承地栽培認定を行っている。期間は3年間で継続には更新が必要となる。
 今回審議された野菜は「河童瓜(かっぱうり)」。 栽培地域は茅野市北山糸萱、湖東笹原、湖東須栗平、湖東白井出。直径5~6cm、長さ20cm 程度で肩は流れる。熟すと黄色から赤褐色に変色し、表面に白い割れ目の模様が入る。皮を引いて輪切り、薄切り等にして、生食する。果実はみずみずしく、肉厚で歯切れよく、香も高く食味がよい。古老の話によると、70年以上前から河童瓜の名で親しまれてきた。近隣を流れる滝ノ湯川のお洗馬淵(功徳寺付近)に河童伝説があり、名称はここに由来すると推察されているがはっきりとはわからない。
 もう一品目の「糸萱かぼちゃ(いとかやかぼちゃ)」の栽培地域は、茅野市北山糸萱、湖東笹原、湖東須栗平、湖東白井出。直径20~25cm 高さ15cm程度 重さ 1.5 kg程度。円形で、くり型または尻つぼまり型。果皮表面はシルバーで種皮も白い。煮物にするとほくほくとし、甘味も強く食味が良い。皮は「なたで切っても切れない」と言われるほど硬い。昔は、夏季に家の屋根に向けて棚づくりとし、家の暑さ除けとしていた。土手の斜面を有効利用した栽培もされていた。
 認定(更新)では、「源助蕪菜(飯田かぶ菜)(げんすけかぶな/いいだかぶな)」。栽培地域は豊丘村《認定番号 22-05012》。愛知県稲沢市にあった井上源助採種場で、「箕輪蕪(諏訪紅蕪)」と関西系のカブ品種との交配から育成された「丸葉口紅源助蕪菜」を、近藤秀雄氏が昭和初期に上下伊那地方に普及させた。「野沢菜」と同様に漬け物とするが、干し柿を加えて漬け込む独特な漬け方がある。「野沢菜」に比べて草丈が低く、葉はへら型で葉柄基部まで葉身が付く。葉質は柔らかく甘みがあり美味。根部は長円錐形で上部は淡赤紫を呈する。豊丘村では収穫体験を行っており、収穫した蕪菜は各自で持ち帰り漬け物にしている。

栽培地域の食卓に上った
河童瓜の輪切り(左)と
糸萱かぼちゃの煮物(右)


河童瓜の輪切り.png河童瓜の輪切り.png

土手を有効利用した栽培は
今も見られる
土手を有効利用した栽培.png土手を有効利用した栽培.png

淡赤紫を呈した収穫期の源助蕪菜


淡赤紫を呈した収穫期の源助蕪菜.png淡赤紫を呈した収穫期の源助蕪菜.png

 現在の選定・認定状況は、67 種類の野菜が「信州の伝統野菜」として「選定」されている。38の生産者団体が栽培する41種類の野菜が「伝承地栽培認定」されている。また、32の加工品に伝承地栽培認定証票の使用が承認されている。