フード•アクション•ニッポンアワード2014

「商品部門」最優秀賞受賞の商品を活かした
技術•生産•加工による3社のコラボレーション

 〈食料自給率アップに取り組む推進パートナー企業に聞く〉
(株)大潟村あきたこまち生産者協会代表取締役社長の涌井徹氏
ネピュレ(株)代表取締役社長の加納勉氏
第一屋製パン(株)商品本部商品開発部R&Dグループ•グループリーダーの鈴木努氏

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左より涌井社長、鈴木氏、加納社長

 国産農林水産物の消費拡大に寄与する事業者•団体等の優れた取り組みを表彰する「フード•アクション•ニッポン アワード 2014」において、(株)大潟村あきたこまち生産者協会とネピュレ(株)の「“コメネピュレ”による新たな米需要の創出」が商品部門で最優秀賞を受賞した。
 さらにコメネピュレを使用して2月1日に新潟県を含む関東•甲信越一部地域で第一屋製パン(株)が新商品『日本の食パン』を発売した。これら3社はフード•アクション•ニッポンの趣旨に賛同し国産農林水産物の消費拡大に取り組む推進パートナーだ。
 今回3社のコラボレーションについて、コメネピュレを開発した加納氏とコメネピュレ生産に取り組む涌井氏、これらの技術•生産を活用し『日本の食パン』を開発した鈴木氏の3人にお話を伺った。

推進パートナー3社コラボレーションで生まれた国産原料95%の「日本の食パン」

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 ー鈴木氏 「お客様の国産原料使用商品へのニーズと健康志向への関心の高まりに応えるため、国産小麦粉と米粉でパンを作ろうと試行錯誤していたところ、フード•アクション•ニッポンの活動を通じてコメネピュレを知り、原料に加えてみました。するとなんともしっとりした食感があり、米粉の特長であるもっちり感と米の甘みをさらに引き出してくれました。これはいけると思い、いろいろなバランスで配合してみましたが、ここからが苦労の連続でしたね。手作業では成功してもラインのテストではうまくいかず、何度も試作を繰り返しておいしさ、香り、食感などを追求しました。
 工場では開発スタッフは勿論事務員まで加わり試食と意見交換を重ね、一丸となって商品開発に取り組んだ。おかげで社内のモチベーションアップに繋がりましたね。こうした苦労を乗り越えて、北海道産小麦、新潟県産米粉、秋田県産コメネピュレ等を使用した食パンを完成させました。原料を国産にこだわった商品開発をスタートさせてから約2年。国産原料約95%までいきつくことができました。また、イーストフードも乳化剤も無添加で開発しました」
 ー加納氏 「農作物を特殊技術でピューレ状にするネピュレは、まったく新しい食材です。素材をほぼ無酸素状態で加工するので、酸化することなく素材そのもののおいしさや栄養を引き出すことができるのです。コメネピュレもお米本来の旨みと香りが特長ですが、これを使ってどこまでおいしいパンができるのか、不安でもあり楽しみでもありました。食べてみると、実においしいし香りもいいですね」
 ー涌井氏 「コメネピュレは乳化作用と保水性があるから、パンに入れると時間が経ってもしっとり感が続きます。とくに食パンがいちばん差が出るので、食べ比べてみればこの商品のおいしさが分かりますよ。米粉のメリットもうまく活かしていますね。食品メーカーは、新しい食材を使うことに慎重になりがちですが、われわれ3社の連携によるこの商品の画期的な試みをきっかけに、食品業界に新しい動きが始まると思います」

推進パートナーとして生産者と消費者を元気にしていく

 ー加納氏 「コメネピュレを活用して、ヨーグルトやアイスクリーム、グラタンなどさまざまな食べ方を企業や専門家の方々と考案中です。おいしくて健康的な食生活を消費者に提案しながら、日本の農業が活性化するしくみを作りたい。それが食料自給率の向上、食の安心・安全につながっていくのです」
 ー涌井氏 「2013年にフード・アクション・ニッポンでコメネピュレと出会って、翌年6月には秋田県産米で生産を始めました。これから製造ラインを増設してもっとコメネピュレを増産する予定です。いずれは全国の米生産者に持ちかけて、国産米の需要を拡大していきます」
 ー鈴木氏 「一過性に終わらせることなく、息の長い商品として『日本の食パン』を販売するとともに、今後も国産原料を使用した新商品を開発していきます。そして、食べることで日本の農業を支えているということをお客様にアピールしていきたいと思っています」

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第49回スーパーマーケット・トレードショーに出展
       フード・アクション・ニッポンの5つの取り組みを紹介

 フード・アクション・ニッポンは、2月10日(火)から12日(木)にかけて東京・江東区にある東京ビッグサイトで開催された『第49回スーパーマーケット・トレードショー2015』にブースを出展した。
 ブースではこの1年間の総決算として、消費拡大に資する優れた取組を表彰する『フード•アクション•ニッポン アワード』、ポイント付与で消費拡大を推進する『国産食料品等ポイントプログラム(こくポ)』、観光と連携し地域食材の消費拡大を推進する『日本の食でおもてなし』、被災地産食品の消費拡大を推進する『食べて応援しよう!』、そして医療•福祉と食料•農業が連携し国産農林水産物等の消費拡大を推進する『医福食農連携~食でつながるイノベーション』の5つの取り組みについての紹介と併せて、フード•アクション•ニッポンのロゴマークが入った商品を展示したところ、目にする機会が多い身近な商品のパッケージデザインにフード•アクション•ニッポンのロゴが組み込まれていることに注目が集まりました。また推進パートナー企業のビジネスマッチング事例について視線を注ぐ姿も多く見られ、国産農林水産物の消費拡大に向けた取り組みについてのご相談なども寄せられた。

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フード・アクション・ニッポンについて

●フード・アクション・ニッポンとは?
 ~国産農林水産物・食品の消費拡大を推進し、日本の食料自給率の向上させることを目的とした 国民運動~
 農林水産省が2008年より日本の食料自給率向上に向けて、国産農林水産物•食品の消費拡大を推進する国民運動として開始したのが「フード•アクション•ニッポン」である。「フード•アクション•ニッポン推進本部事務局」では、推進パートナー•米粉倶楽部の登録申請受付、店頭販促ツール等の提供、Webサイトの運営、企業間のビジネスマッチングのコーディネート、食料自給率全般に関する問い合わせ受付等を中心に活動している。
 またフード•アクション•ニッポンの推進パートナーに登録するとこれらのサポートを利用いただける他、推進パートナーとしての活動内容をフード•アクション•ニッポン公式サイト上で紹介させていただく等、皆さまの活動を応援させていただく。登録は無料であり、是非登録ください。
●食料自給率向上のための5つのアクション
①今が旬の食べ物を選びましょう
②地元でとれる食材を日々の食事に活かしましょう
③ごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけましょう
④食べ残しを減らしましょう
⑤自給率向上を図る様々な取り組みを知り、試し、応援しましょう
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~みんなが実行すれば食料自給率1%アップ!!~
たとえば、こんな工夫で食料自給率を上げることができる。
◆ご飯を1食につき、もう一口ずつ食べる。
◆国産大豆100%使用の豆腐をひと月にもう3丁食べる。
◆国産米粉パンをひと月に3つ食べる
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