2019.05.07(火)

農薬散布効率が格段にアップした「飛助MG」

偶然の失敗が生んだ4枚プロペラドローンの

大きな可能性(マゼックス)

   農林水産航空協会認定国内製造メーカーの(株)マゼックス(本社大阪府東大阪市、松添正征代表取締役、URL:https://mazex.jp/)は、農林水産航空協会認定機で農薬散布ドローン『飛助MG』を4月1日より納品をスタートしている。


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●最大の特長:農薬散布性能を向上させた4枚プロペラの『飛助MG』
   農薬散布ドローン『飛助MG』の最大の特長は「散布性能の向上」。ドローンの薬剤散布に不可欠なのは「ダウンウォッシュ」(※)。散布性能が左右されると言っても過言ではない。しかし、無人ヘリと比較し、機体が軽量であるがゆえに、ダウンウォッシュの強さもなく、薬剤が風に流されてしまう傾向にあることがデメリットとされていた。
   ドローンは「4枚」「6枚」「8枚」のプロペラ数が主流で、他社メーカーの多くは「8枚、もしくは6枚プロペラ」を採用している。同社でも開発時に6枚でテストするものの、実験の結果、散布ムラが大きく発生したので6枚を断念し、強いダウンウォッシュを生み出せる「4枚プロペラ」を採用した。
   しかし、4枚プロペラだとダウンウォッシュが渦巻く現象が起こり、これもまた薬剤散布の時、風に流される原因になるため適していないと言われていた。そこで考えたのが「4枚プロペラの強いダウンウォッシュを活用しつつ、渦の影響を受けにくくする」ために、「前後切替」を開発した(特許出願中)。
   進行方向前側のノズルから薬剤を散布し、前側のプロペラから生じたダウンウォッシュで薬剤を抑えつけながら、さらに後側のプロペラより発生したダウンウォッシュにより、作物に薬剤を付着させるという方法。これにより散布効率を向上させることを実現した(データに関しては3頁目)。『飛助MG』は「農薬に4枚プロペラは効率的ではないので適していない」という業界の常識を覆す結果となった。
※ダウンウォッシュ…翼の回転により吹き下ろされる風
 
●性能に関するデータ
1:4枚プロペラのメリット~4枚プロペラは「強いダウンウォッシュ」を発生させることができる。

   ドローンは軽量なので、なかなか強いダウンウォッシュが発生させにくいと言われている。しかし、大きなプロペラだと強いダウンウォッシュが発生させやすく、大きなプロペラを搭載するには、プロペラ数を少なくする必要がある。
【メリット】


2:ダウンウォッシュの比較~作物の根元、葉の裏まで風を送れる
 
【4枚プロペラの場合】

【8枚プロペラの場合】

※他社製品のため写真に加工をしている。
   上記の比較写真にもあるように8枚プロペラよりも、4枚プロペラの方がダウンウォッシュが強い様子が分かると思う。4枚プロペラは作物の根元や葉の裏にまで風を送りこむことができている。農林
 
=それだけ薬剤散布の効果が表れやすい。

3:散布ムラのデータ~無人ヘリ並の散布性能を

   農林水産航空協会認定機の認定基準は変動係数「30%以下」。同社の『飛助』シリーズは10.92~13.15%と認定基準を大幅に上回っている。ドローンでありながら、散布性能が高いとされる無人ヘリ並みの数値を記録している。また、前•後進の数値にも大きな開きがないため、農薬を均一に散布できることが証明されている。4枚プロペラ
4:「前後切替」とは~ダウンウォッシュのパワーを最大限に活用。

   4枚プロペラのメリットは「強いダウンウォッシュの発生」だが、強すぎるあまりに巻き上げる渦も強く、薬剤が流れてしまうこともある。そこで、同社ではその渦から抜け出すために『前後切替』を開発した。
   前進する場合は前側のノズルから、後進する場合は切り替えて、後側のノズルから薬剤を散布し、全てのプロペラから発生する強いダウンウォッシュを利用でき、薬剤を効果的に散布する仕組みを取り入れた。また、使用しているノズルも農業用ではなく、きめ細かく、均等に散布するように基準が定められた工業用途で知られているドイツ製のノズルを採用している。
 
●薬剤散布における『飛助MG』のメリット~「散布品質・効率性・薬剤効果」

   ドローンはダウンウォッシュが弱く、少しの風で薬剤が流れてしまうドリフト問題が課題であった。『飛助MG』は強いダウンウォッシュを実現し、さらに前後切替機能により散布品質を向上。薬剤コストも削減可能だ。
□効率性
   時速15km、散布幅4mで飛行し、1ha(10,000㎡)を約10分で散布する。またそのまま隣の田畑にも移動できるため、人の手で散布する時間のおよそ1/5の時間で作業を完了。作業時短に役立つ。
□薬剤効果
   防除を委託する場合、コスト面で回数を最小限に抑えがち。しかし同じ費用で回数多く散布することができ、薬剤の効果を最大限に発揮する。
 
●開発秘話~偶然の失敗から発見した「前後切替」の発想。
   『飛助MG』の開発期間はおおよそ一年半かかった。開発のきっかけは、薬剤積載の容量変更。元々5Lのものがあったが、「より多く薬剤を積載したい」というご要望もあり、10Lのドローンを開発するためにスタートした。
   ただ、せっかく開発するなら、他社製品と差別化、つまり散布性能をさらに向上させていこうと思った。「4枚プロペラは農薬散布ドローンに向いていない」と言われていたが、当社としてはダウンウォッシュの強さが出せる「4枚プロペラ」にこだわり、開発を進めて来た。
   試験は等間隔で試験紙を置いて、その上を通過し散布性能を測る方法。当初はプロペラの全てから薬剤を散布するスタイルで開発を進めていたが、なかなか納得の行く試験結果が出なく、この試験だけでも2~3カ月、試行錯誤してきた。
   そんなある日、偶然、パイプが外れてしまって、前側しか薬剤が出ていない状態でドローンが試験紙の上を通過した。何十回もの試験で、付けたり外したりを繰り返し行っていたので、パイプが劣化してしまったのでしょう、「またやり直しか…」と諦めて、試験紙を回収しに行くと試験紙にはかなり好反応があった。
   実際、スキャナして計測•データ化すると驚く数値を記録していた。「失敗は成功の基」ではないですが、偶然の産物で驚いている。そこから『前後切替』装置開発を行い、4枚プロペラの強いダウンウォッシュを生かし、散布性能向上を図った。当社では今後も農薬散布ドローンの「本質」のところである散布性能にはさらにこだわっていき、レベルアップを図ってまいりたいと思っている((株)マゼックス 松添正征代表取締役社長)。
 
●会社概要
   (株)マゼックスは2015年より産業用ドローンを開発•製造を開始。以降、農薬散布ドローン開発をスタートさせてから、2018年には農林水産航空協会認定企業となっている(農林水産航空協会認定企業は現在10社のみ)。機体の組み立て、テスト、試験などは国内生産を行い、お客様にお届けしている。
・社名 株式会社マゼックス
・代表者名 松添正征
・資本金 10,000,000円
・住所 〒578-0982 大阪府東大阪市吉田本町1丁目13-28
・事業内容
        産業用ドローンの製造•販売
        産業用ドローンの修理•操縦指導
        産業用ドローンの部品販売
        ドローンを利用した映像、音響、画像、文字等の企画、制作に関する業務
        農業関連事業に関する企画、調査及びコンサルティング業務
        農業•林業全般における関連用品の販売
・社員数 11名(2019年4月22日現在)
・売上高 2018年度186891千円(予定)
             2017年度115952千円
             2016年度71524千円
             2015年度1000千円
 
   ちなみに(株)マゼックス(URL:https://mazex.jp/)は製造業で、本社を大阪府東大阪市吉田本町1-13-28に置く。電話番号は072-960-3221、代表者は松添正征し、上場は未上場、資本金は 1000万円。