2020.05.19(火

島根県の離島・海士町、リモートの時代だからこそ距離の不利を乗り越え

手軽な旅行先に。自宅にいながら旅を満喫できる「リモートトリップ」を

企画販売「生産者x観光ホテル」お客様向け旬の食材をEC販売へ(島ファクトリー)

   (株)島ファクトリー(島根県隠岐郡海士町)は、自宅にいながら五感で旅を満喫できる「リモートトリップ」と島の生産者の恵みを詰め合わせて「海士のてしごとマルシェ」を企画•販売する。新型コロナウィルスの感染拡大を受け、外出自粛を余儀なくされている旅行好きの方をターゲットに、コロナ禍の影響で売り上げが落ち込む旅行•観光業、さらには一次産業を支援する企画として広く発信していく考えだ。 

海士 のてしごとマルシェ
   新型コロナウィルスの感性拡大により、旅行•観光業は全国的に大きな打撃を受けている。島根県沖の隠岐諸島の一つ、海士町(島前•中ノ島)も例外ではない。人口約2,300人の小さな島に年間約30,000人の旅行客が訪れるが、観光シーズンである4月~11月を前に、島外からの観光客を迎え入れられない状況に陥ってしまった。
   宿泊施設、飲食店、土産物店、ガイド業、交通事業者など、旅行•観光に携わる事業者は窮地に追い込まれている。さらに観光客の減少や飲食店の営業自粛により、名産品である岩牡蠣やもずくといった海産物の生産に携わる一次産業にも悪影響が出ている。
   このような状況を受け、一般社団法人海士町観光協会の子会社である(株)島ファクトリーでは、今春新たな取り組みとして、自宅にいながら旅行が楽しめる「リモートトリップ」、海士町産の野菜、海産物、牛肉、調味料や米などを詰め合わせた「海士のてしごとマルシェ」の企画・販売を始めた。現在までに3回のリモートトリップを開催し、全国各地から計62名にご参加頂き、5月11日から販売開始した詰め合わせセットは予想よりも多くの注文をもらっている。

   リモートトリップ の特徴は五感で海士町への旅を満喫できること。例えば4月に開催した第1回のリモートトリップでは、当日までに参加者に大きな岩牡蠣(個数はコースにより異なる)が届けられた。参加者は指定の時間にビデオ会議システムZoomにアクセス。島ファクトリーのスタッフのガイドでツアーがスタートすると、まずは島の人のお手本を見ながら、みんなで同時に岩牡蠣を開け、磯の香りあふれるプリプリの身を味わった。
   また第2、3回のリモートトリップでは、岩牡蠣を堪能した後、島のバーチャル観光(島の人がドライブする映像をガイド付きで共有)を行い、自然が作り出す美しい景色を楽しんだ。さらに島の人と交流したり、参加者同士で盛り上がったりと、海士町の魅力である「人とのつながり」を大切にした全2時間の行程となっている。

海士町へフェリー乗船
 
  リモートトリップには、旅行で訪れるだけでは生まれなかったであろう島の人とのつながりや参加者同士のつながりが得られる、コロナ禍の影響で困窮する旅行•観光業を活気づけ、一次産業を支援することにもつながる、外出自粛で旅行ができない人々に喜びや楽しみ、ワクワクを提供できるなどのメリットがあり、「いつか実際に島を訪れてみたい」という将来の観光客の掘り起こしにもつながることが期待される。
   第4回リモートトリップはさらに新たな挑戦も。リモートならではを生かし、一度に2ヶ所の旅行が出来るのもおもしろいのでは?とコロナ禍の情勢を逆手にとっての発想で、海士町と宮城県気仙沼を同時にリモートトリップできる企画を開催予定している。

  第4回リモートトリップ(5月31日)
   海士のてしごとマルシェは、海士町唯一のホテル、マリンポートホテル海士の宿泊客に対し提供している食事に使われる海士町の産品を、島を訪れられないこの状況下でもたくさんの人に楽しんでもらうための施策だ。
 マリンポートホテル海士では、海士町産食材100%使用し、島の伝統的な料理や季節の旬の食材を楽しんでもらうことにこだわってきた。島の特産の牡蠣、水が豊かな島こそのれんげ米、免疫力アップも期待できるもずくやアカモクなど全14品目を箱いっぱいに詰め込み、クール便でお届け、自宅で島の食材を堪能頂く。
 

海士の海の幸
   全国に先駆けてリモートトリップ(略称:リモトリ)を実施した島ファクトリー、海士町としては、今後この取り組みのアイデア•知見を独占するのではなく、全国各地、特に地方•田舎の観光事業者と共有し、広げていきたいと考えている。いつこの状況が収束するのか行く先が見えない、そんな不安な時期だからこそ、リモートトリップや島の食材を通して旅の感動を届けていきたいと考えている。

海士の山の幸


◆「リモートトリップ」詳細
主催:株式会社島ファクトリー(海士町観光協会)
https://oki-ama.org/remote-trip/
開催日時:月2~3回(不定期)※2020年5月31日、6月7日を予定
お届け内容:5月は海士町産の岩牡蠣(牡蠣開けセット付)、6月以降は海士町の特産品(例:隠岐牛)や旬の食材など+旅のしおり、リモートトリップへの旅行切符(アクセスURL)
定員:20-30名/回
価格:5,000円~10,000円 ※特産品の内容・量・個数などに応じる
 
●「海士のてしごとマルシェ」詳細
主催:株式会社海士(マリンポートホテル海士)
企画:株式会社島ファクトリー(海士町観光協会)
販売:5月11日~
お届け内容:・海士のブランド岩牡蠣「隠岐牡蠣」・幻の黒毛和牛「隠岐牛」・Muller’s Farmのお野菜と有精卵・山中さんのお米・崎みかんのジャム・高級そわか梅の梅干し・さくらの家のふくぎ茶・こじょうゆ味噌・波多さんちの新玉ねぎ・海士乃塩・山下さんのあかもくとしいしび(いかの一夜干し)・生もずく(生産数や天候によって数量変更の可能性あり)
販売数:40セット(追加予定)
価格:15900円(税別・送料込み) 

海士町の名所 明屋海岸
◆海士町(あまちょう)
   島根県沖の日本海に浮かぶ隠岐諸島の一つ。人口は約2,300人。地域唯一の高校、島根県立隠岐島前高校が廃校の危機に直面したことをきっかけに始まった「隠岐島前高校教育魅力化プロジェクト(現:隠岐島前教育魅力化プロジェクト)」により島全体が活気を取り戻し、近年では若い世代を中心にU・Iターン者が増加した。
   教育関係者の間では「学びの島」として知られ、地方創生の好事例としても注目を浴び、全国各地から年間約1,000名の視察者が訪れる。また、古くは承久の乱で都を追われた後鳥羽上皇を受け入れた地としても知られ、上皇が晩年を過ごした隠岐神社は島民にも馴染み深い観光スポットとなっている。
   地理的には隠岐ユネスコ世界ジオパーク内に位置し、島前カルデラの内海が美しい景色を織りなす。離島にしては珍しく「日本名水百選」にも選ばれる湧水(天川の水)があるため稲作も盛んで、新鮮な魚介類や米•野菜といった自然の恵み豊かな島でもある。
 
   ちなみに(株)島ファクトリー(URL: https://oki-ama.org/)はサービス業で、本社を島根県隠岐郡海士町福井1365-5に置く。電話番号は0851-22-0101、代表者は青山敦士氏、資本金は 1025万円。