みんなで、マクロビ   
      おうち穀菜塾開催
         一汁二菜&デザートを

 マクロビオティックを実践している人をマクロビアンというが、そんな方が集まった料理講習会が長野市安茂里の個人宅で行われた。「おうち穀菜塾」という。テーマは『初夏の一汁二菜&デザート』。それに皆で作った料理を食卓に並べながら「おしゃべり」もあった。

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 日本人が長年食べてきた日常食といえば、やはりごはんに味噌汁、煮炊きした野菜だ。それに少量の豆類、漬物といったところ。これに蕎麦やうどん、雑穀が加わる。また、海辺の地方ならば、海藻や小魚、近海でとれるあまり大きくない魚などが挙げられよう。

 そして調味料は、味噌、醤油、自然海塩が基本である。今回の紹介しているマクロビ食事法「おうち穀菜塾」で行われた料理講習会も、つまるところそういうことで、身近にある「命のある食材」を感謝の気持ちを込めて作り、食べるという内容であった。
 料理を紹介すると、梅風味の玄米チャーハン、中華風スープ、生春巻き、野菜の塩水漬け。デザートはレモンムースだ。初めて参加したものとしての感想は想像以上の出来であったような気がする。献立の中華風スープ、生春巻きは胃にも優しいし美味しかった。デザートのレモンムースはむしろ逸品に近い。しかし、梅風味の玄米チャーハン、野菜の塩水漬けは正直言って拍子抜けした感じだった。
 「ああだ、こうだ」というのは僭越であるが、個人的には期待も大きかったので敢えて言わせて頂いた。参加者のなかにはマクロビオティックアカデミーKIJ出身の北澤康子さん、西野周子さんもおられた。料理の気遣う点などについて伺うと「食の陰陽表に基づいて食材を選び料理を工夫していますが、一般的にいう美味しい料理の域にはなかなか到達しません」と素直に話してくれる。
 本日の献立とデザートを食べ終え、麦茶を飲み「ご馳走さま」を私は言わせて頂いたが、何故か素直になり、何故か身体は軽やかになっていた。6月15日の朝9時からスターとした初夏の「おうち穀菜塾」は午後2時には終了し、そのお宅を後にした。


レモンムースのパセリソース添え

 当日のマクロビレシピの紹介はここでは止めておくが、レモンムースのパセリソース添えは説明しよう。材料は4人分。Aは絹ごし豆腐(水切りしたもの)一丁(300㌘)、レモン汁大さじ2、レモンの皮二分の一個、アガベシロップ70㏄、塩少々。Bはグレープフルーツジュース150㏄、粉寒天1.5㌘。パセリソースは絹ごし豆腐(水切りしたもの)100㌘、グレープフルーツジュース50㏄、アガベシロップ20㏄、パセリ一枚(葉の部分のみ使用6~7㌘)、レモン汁小さじ一杯。

 作り方は①Aをフードプロセッサーにかけて滑らかなペースト状にしておく。②なべにBの材料を入れ寒天を煮立て、沸騰したら火を弱めて2分煮る。火を止めてAと混ぜ合わせ、型に流し込んで冷やす。③パセリソースの材料を全てフードプロセッサーにかけて、滑らかなソースにする。④②のレモンムースにかけて冷やす。
 今回の献立レシピのすべてを紹介出来ないが、さっぱりおうちごはんのイメージを想像して頂ければ光栄である。


みんなで、マクロビ「おうち穀采塾」小.jpg


マクロビオティックとは…
簡単に説明すると、第二次大戦前後に食文化研究家の桜沢如一氏が考案した食生活法・食事療法で、名称は「長寿法」。玄米菜食、穀物菜食、自然食等を実践している人をマクロビアンと呼んだり、穀菜人とも呼んでいる。
 桜沢氏は海外への普及も積極的で、1929年に渡仏、1960年にも渡米し、弟子の久司道夫氏らと「禅・マクロビオティック」を唱えて普及させる。米国では抑圧的なマクロビオティック食養法は批判もされたが、久司氏ら仲間が風土を考慮し再構築したマクロビオティックを広めたことで、1970代以降は政府や栄養学会に受け入れられるようになった。
 また、従来の欧米型食生活は生活習慣病の増加をもたらしていたという反省もあり、また伝統的な和食への関心が高まり、マクロビオティックの考え方が見直されるようになったといわれている。
 このマクロビオティックが米国や世界の人々の食生活を改善した功績として高く評価されるようになり、1999年には久司道夫氏が日本人として初めて米国国立歴史博物館であるスミソニアン博物館に殿堂入りを果たした。
 米国ではリッツ・カールトンホテルで採用されたり、ゴア副大統領、ハリウッドスターなど署名人にも実践者が多くなっている。この他にも歌手のマドンナ、トム・クルーズらは愛好家として雑誌にも紹介されている。
 マクロビオティックは逆輸入されたきらいもあるが、「日本では1947年~1957年生まれの女性の一割以上が実践者」とマスコミで話題になっている。