蕎麦メニューの一品やお通しとして牛乳を提供
里山資本主義、日本経済は安心の原理で動く!!

  民放番組で北海道のある村長が地元産品を使う居酒屋を認定居酒屋に指定したという話題が流れていた。その認定居酒屋は評判のお店で、お通しメニューは美味しい「牛乳」という。幼い頃から乳牛で育った方なら、この美味しい牛乳は直ぐに分かる筈だ。多分、低温殺菌牛乳と思われる。ご存知のように低温殺菌牛乳は、牛乳中の大切なホエーたん白質や、カルシウム、ビタミン類の変性、損失を少なくし、有害な細菌を死滅させている。賞味期限が短くなってしまうというデメリットはあるものの、牛乳本来のおいしさを味わうことができる。

  昔から栄養コスト効率の一番は「牛乳」と言われ、またバランスもとれていると言われている。その栄養素は、エネルギー、たんぱく質、脂肪、炭水化物、カルシュウム、鉄、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2の9つからなる。
   ここで栄養成分や栄養コストの話をしたいのではない。美味しい牛乳とそのバランスのよさである。以前から牛乳(ミルク)を使った献立メニューがあっても良いのに…と思っていた。「グットフード、グッドテーブル」という視点、そして「地産地消、地産他消」という視点から、一般飲食店、レストラン、ホテルはメニュー提案すべきと思う。
  例えばの話、「ざるそば、ほうれん草のおひたし(こんにゃくの白和え)、りんご2切れ、牛乳」あるいは「スパゲティナポリタン、ほうれん草のおひたし(こんにゃくの白和え)、みかん1個、牛乳」といった具合だ。勿論、グットテーブルといった視点で盛付けに工夫が欲しいことは言うまでもない。最近の関西のホテルの偽装表示問題、一般レストランの偽装表示は価格競争の成れの果ての姿と言っていいだろう。

  さて、この美味しい「牛乳」は、信州で知る限り黒姫高原の土屋牧場、小県郡の長門牧場、八ヶ岳野辺山高原の牧場で頂けるし、その乳製品もある。しかし、ご当地のレストランメニューとして様々な洋食風メニューは見られるものの、くだんの蕎麦と組み合わせたメニューは無かった気がする。

長門牧場収穫祭画像.png

 


来春からいよいよ消費税が8%になる。外食は益々控え目になるだろうし、外食店は益々選別されて行くだろう。県外外食チェーンも多様な手を打つだろうが、かなり苦戦することは免れない。ましてや地元の飲食店はその対策すら一向に見えてこない。その感激を縫って益々シェアーを増やしていくのは、コンビニの米飯コーナー、ドリンクコーナーであろう。郊外のコンビニは休憩スペースも増やしている。

   地方の「食」の提供者は今の商流にのらない、大胆な発想の転換が必要だろう。観光地もしかりだ。最近の農業生産者もTTP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉を機に大きな変化の兆候が見られる。時を同じくして、藻谷浩介著の「里山資本主義」(角川新書)では、日本経済は「安心の原理」で動く。身近な資源を活用する地域発の新たなライフスタイルを提言している。
  また、フードコンサルタントの山本謙治氏(グットテーブル)も優れた地域の食材の発掘、育成そしてその食材を使ったメニュー提案をしている。事実、この信州でも里山や山の峠で飲食店を営んでいる方が増えて来た。安心の原理という面からしても農業生産者と外食店はもっと立体的協働が必要になって来ている。街中外食店ならなおさらではないだろうか。日本の真の豊かさは「里山を活かしてこそあるのだ」と信じている。

ここだけの牛乳3本.png