サイフォンで淹れるコーヒーを提供!

珈琲を味わい、癒される会話が愉しみ
上田市観光会館1階の「喫茶コーナー」

 上田市観光会館は上田城跡公園の東側、二の丸橋を出た正面にあり、1階は売店、喫茶、そば屋があり、2階は無料休憩コーナー、観光案内所、上田市観光課や上田観光コンベンション協会事務局等ある。1階の売店には真田氏関連グッズ、上田紬、農民美術工芸品、銘菓、地酒など上田地域の名産品を展示•販売されており、正面左側には喫茶コーナー(営業時間午前9時30分~午後6時)が設けられている。

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 久しぶりに上田城を訪れ、この観光会館に立ち寄った。来年のNHKの大河ドラマ「真田丸」(脚本•三谷幸喜)を想像しながら、一休みしたのが1階の喫茶コーナー。驚いたことに同店ではコーヒーサイフォンで提供していた。7、8席のカウンターだけのお店で、カウンターの片隅には気品漂う白髪のおばあさまが座っていた。
 珈琲を淹れる女性スタッフは売店と兼用で対応している。それにしても丁寧な応対と小気味良い会話は癒される。コーヒーサイフォンは「ドリップ式」と並んで良く知られたコーヒーの抽出方法だが、個人的には香りが強く出るドリップコーヒーを好んでいる。
 暫く一杯一杯のハンドドリップの珈琲というか、こういうお店に遠のいていたせいか、とても懐かしく思った。同店のブレンドコーヒー(サイフォン)は330円、テイクアウトコーヒー200円で提供している。このキャラバンコーヒーのブレンドは、コロンビアコーヒー豆30%入っているゴールデンキャメルと呼ばれているそうだ。

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 白髪のおばあさまもこのブレンドコーヒーを飲んでおられ、私もその雰囲気に誘われてブレンドコーヒーを注文した。予想を遥かに上回る味わいに感動し、もう逸品のコーヒーの「発芽コーヒー」(350円)を注文した。「発芽コーヒー」はコーヒー生豆を発芽加工して「発芽生豆」し、乾燥させて「発芽焙煎豆」にしたものだ。
 もともとハンドドリップの珈琲やサイフォンの珈琲はブラックで飲むようにしている。美味しいブレンドコーヒーを飲んだ後だけに、微妙な違いではあったが確かに香りが良く、まろやかで飲みやすい感じがした。この世界初の発芽コーヒーの説明書には発芽によりアミノ酸が増え、栄養成分が変化してバランスが良くなると書かれている。
 知ってかしらでか、この喫茶コーナーのコーヒーサイフォンの提供は上田城址公園の一つの魅力となるであろう。ご承知の通り、いま第三の波「サードウェーブコーヒー」が訪れようとしている。少し分かりやすく説明すると、第一の波は第二次世界大戦後~1970年代頃までのアメリカンコーヒー全盛時代、第二の波は質の良いコーヒーを求めたシアトル系のコーヒー(スターバックス等)、このアンチとして登場したのが一杯づつ丁寧に淹れ、地域密着で憩いの場所としてコーヒーの味を愉しむ第三の波「サードウェーブコーヒー」である。

 「歴史は繰り返す」とは古代ローマの歴史家クルティウス•ルフスの言葉であるが、いつの時代も人間の本質に変わりないため、過去にあったことはまた後の時代にも繰り返して起きるという意味である。もう一つ付け加えておきたいことは「外食産業及び飲食業界の変化の兆候が最初に起こるのはコーヒー業界である」ということも序でにお伝えしておきたい。