2017.07.26(木)

茅野市内の飲食店で

腸管出血性大腸菌による

食中毒が発生に

  26日、諏訪保健所は茅野市内の飲食店を食中毒の原因施設と断定し、この施設の営業者に対し7月26日から7月28日まで、3日間の営業停止を命じた。患者は7月12日及び7月14日に、この施設が提供した食事を喫食した3グループ6名で、松本保健所及び環境保全研究所が行った検査により、患者便から腸管出血性大腸菌O(オー)157が検出された。 なお、患者は全員快方に向かっている。
  この食中毒は、7月18日から23日にかけて、県内保健所に医療機関から腸管出血性大腸菌感染症発生届があり、患者へ聞き取りを行ったところ、当該施設の食事を共通して喫食していることが判明した。
  諏訪保健所による調査結果によると、患者(松本市、茅野市、北佐久郡、諏訪郡在住)は、7月12 日及び7月14日に、この施設が提供した食事を喫食した29グループ114名のうち、調査が済んだ7グループ33名中3グループ6名で、7月15日午前10時頃から下痢(血便)、腹痛等の症状を呈していた。
  患者はこの施設で提供された食事を共通して喫食していたこと、松本保健所及び環境保全研究所が行った検査により、患者便から腸管出血性大腸菌O157が検出され、遺伝子のパターンも一致したこと、患者の症状は腸管出血性大腸菌による食中毒の症状と一致していたこと、医師から食中毒の届出があったことから、諏訪保健所はこの施設で提供された食事を原因とする食中毒と断定した。                                                             
  参考までに患者へ提供された主なメニューは、焼肉(上カルビ、ハラミ、タン塩、ハツ、レバー等)、石焼ビビンバ、パリパリキャベツ等であった。長野県内(長野市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、平成30年度(うち長野市)4件(1件)40名(1名)、平成29年度(うち長野市)16件(6件)419名(184名)となっている。
 
<腸管出血性大腸菌による食中毒とは>
[特徴]腸管出血性大腸菌は主に牛や羊など反芻動物の腸管内に生息している。食肉の生食あるいは加熱不十分で提供されたひき肉料理などが、原因食品となるケースが多くある。また、牛の糞便に汚染された川や湖で感染することやふれあい牧場などで動物から直接ヒトへ感染することもある。熱に弱く、75°C、1分間の加熱で死滅するが、感染力が強く、50個程度の菌量で食中毒を起こすことがある。
  [症状] 潜伏期間は2~7日(平均3~5日)と長く、下痢、腹痛、発熱などの症状が現れるが、重症化すると、激しい腹痛と血便を主症状とする出血性大腸炎を発症し、まれに溶血性貧血や溶血性尿毒症症候群(HUS)などを併発する。幼児や高齢者など体の抵抗力が弱い方は、重篤な症状となることがあるので特に注意が必要だ。
[予防方法] トイレの後、調理の前、調理中、食事の前は、石けんでよく手を洗いましょう。 腸管出血性大腸菌に対して感受性の高い幼児や高齢者は、食肉の生食など感染源となる可能性が高い食材は避けましょう。焼肉などの場合は、生肉用の取り箸と食べるための箸を使い分けて、肉の中心部まで十分に加熱してから食べましょう。生肉を扱ったまな板、包丁などは菌が付いている可能性があり、きちんと洗浄•消毒しないと他の食品を汚染してしまうことがある。これらの生肉を扱った調理器具等は必ず洗剤でよく洗ってから、熱湯や塩素系の漂白剤などで消毒しましょう。
  この件のお問い合わせは諏訪保健所 食品•生活衛生課 食品衛生係 (次長)熊谷健吉 (課長)佐々木 強 (担当)吉中友子まで(電話0266-57-2929<直通>  0266-53-6000<内線2250>  FAX0266-57-2953  E-mail suwaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。