2017.08.15(水)

東御市内の保育所で

腸管出血性大腸菌の

集団感染事例が発生

  東御市内の保育所で、腸管出血性大腸菌(O26)の集団感染事例が発生した。今夏、県内で腸管出血性大腸菌感染症の届出が増加している。「帰宅時、食事前、トイレの後はよく手洗いをするなど、感染予防に努めましょう」と県健康福祉部は呼び掛けている。
  8月4日、東御市内の医療機関から上田保健所に腸管出血性大腸菌感染症患者(O26)の届出があった。同保健所が調査を実施したところ、東御市内の保育所に通園していることが明らかとなったため、この保育所に対する調査を開始した。その後の医療機関からの届出及び保育所の園児•職員に対する検便を順次実施した結果、8月14日までに患者15人、無症状病原体保有者5人、合計20 人の感染者が確認された。
<感染者数(8月4日から8月14日までの状況)>


※:感染者とは患者と無症状病原体保有者(感染者のうち、症状はないが菌を保有している者)の合計数を指す。
 
  患者の健康状態について、患者は下痢、発熱等の症状を呈しているが、現在は全員が治癒もしくは快復に向かっている。なお、保健所の対応は保育所及び家庭に対して、園児らの健康観察と感染拡大防止を徹底すること、体調に変化がある場合は医療機関を受診することを指導している。併せて、感染が確認された園児については、医師の判断で感染のおそれがないと認められるまで登園を控えるよう指導している。
 
その他(参考資料)
<腸管出血性大腸菌感染症の届出件数>

  腸管出血性大腸菌とは、腸管出血性大腸菌は毒力の強い「ベロ毒素」を出すのが特徴で、この毒素により腹痛や水様性下痢などの症状を引き起こす。代表的な「O157」のほか「O26」「O111」などが知られている。
  特徴的な症状は、3日~1週間の潜伏期間の後、腹痛や水様性下痢を引き起こし、後に出血性の下痢となることもある。合併症として溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症することがある。成人では、感染しても症状がなかったり軽い下痢だけの場合も多いが、乳幼児や小児、高齢者では重症になる場合があるので注意が必要だ。
  なお、家族に腹痛や下痢等の症状を有する方がいたら、①すぐ医療機関を受診しましょう。②患者の便を処理する場合にはゴム手袋を使用するなどしましょう。もし触れた場合は石けんでよく泡立てて流水で手洗いを行いましょう。③患者の便で汚染された下着等は塩素系漂白剤などでつけおきしてから、家族のものとは別に洗濯をしましょう。④バスタオルや手拭きタオルは共用せず、個人用のものを準備しましょう。⑤接触者については家庭での入浴機会を通じた感染のおそれがあるため、患者はできるだけ浴槽につからずシャワー又はかけ湯を使うか最後に入浴しましょう。<施設における感染拡大を防止するために>
①トイレは定期的に清掃を行い、トイレ使用後は手洗いを徹底させるとともに、手拭きは個別のタオル又はペーパータオルを使用しましょう②施設内外の衛生管理、職員の衛生管理及び消毒を徹底しましょう。
 
  この件のお問い合わせは上田保健福祉事務所(保健所)健康づくり支援課 (課長)鈴木由美子 (担当)保科誠一まで(電話0268-25-7148<直通> 0268-23-1260<代表>内線2141 FAX0268-23-1973  E-mail uedaho-kenko@pref.nagano.lg.jp)。