2017.10.25(木)

<外食市場9月の動向>

台風、地震が客足に影響も

客単価上昇で売上は前年を上回る


    9月の全体概況は北海道胆振東部地震や2度の台風上陸など自然災害に見舞われ、休業や営業短縮を余儀なくされた店舗が少なくなかった。特に近畿や首都圏の交通機関の計画運休により大消費地の客足にも影響したが、前年より土日祝日数が2日多い曜日周りで、全体の客数は100.2%とわずかだが前年を上回った。売上げは価格改定や各社各様のキャンペーン、季節メニューの訴求等により客単価の上昇が続いており、103.0%と25ヵ月連続して前年を上回った
   業態別概況ではファーストフード業態の全体売上げは104.1%と前年を上回った 「洋風」は季節限定商品の好調やサイドメニュー訴求などで単価上昇、売上げは104.3%。「和風」は他業態とコラボした割引キャンペーンなどで客数堅調、売上げは106.1%だった。業種別
   「麺類」はクーポン配布の影響で客単価が若干下がり、売上げは99.8%。「持ち帰り米飯•回転寿司」は、季節商品の前倒し販売等による単価上昇で、売上げは102.7%。「その他」は「カレー」「アイスクリーム」がTVCMやメディア露出などで客数を伸ばし、売上げは108.2%となった。   
   業種別の売上げは102.8%と前年を上回った 「洋風」「和風」は自然災害などで客数減も、引き続く客単価上昇で売上げはそれぞれ102.4%、100.3%。「中華」はキャンペーン効果や価格据え置きなどで客数が増え、売上げは104.4%。「焼き肉」は予約サイトでの割引キャンペーンなどもあり集客好調、売上げ106.5%と22ヵ月連続して前年を上回った。
   パブ•居酒屋業態の「パブ・ビアホール」は、自然災害による野外イベントの中止などが影響し売上げは95.3%。「居酒屋」も台風による交通機関の計画運休等が夜の営業に大きく影響し、売上げは97.5%となった
   ディナーレストラン業態は他業態と同様に台風の影響が大きく、宴会のキャンセルや関西国際空港の閉鎖による訪日客の減少が見られたが、大型の新店の好調などで、売上げは102.7%となった 喫茶業態は季節メニューなどで客単価上昇も、相次ぐ自然災害で客数減、売上げは98.0%となった