2021.07.26(月

<外食市場6月の動向>JF

緊急事態宣言の解除後も

なお続く厳しい営業制限

 
  
全体概況は10都府県に発令されていた緊急事態宣言は、沖縄を除き6月20日に解除されたが、首都圏や近畿圏などは引き続きまん延防止措置の対象地域となり、酒類提供や営業時間の制限が続いた。とくに夜の営業を柱としていたパブ•居酒屋業態は、コロナ以降、壊滅的打撃が延々と続いている。6月の全体売上げは対前年比100.1%だが、コロナ前の2019年比では77.4%に留まっている。
   業態別概況ではファーストフード業態のFFは、依然として好調な「洋風」が寄与し、業態全体では売上げ109.1%(一昨年比では96.8%)であった。 「洋風」は堅調な巣籠もり需要により売上げ113.6%。「和風」は新メニューの開発、テイクアウトの予約販売などにより、売上げは104.1%となった。
   「麺類」は好調な弁当メニューが全体売上げ116.5%に寄与したが、酒類提供の自粛要請がラーメン業態などに影響し、一昨年比では73.2%にとどまった。「持ち帰り米飯•回転寿司」は、デリバリーの利用拡大などの効果から、売上げは102.9%(一昨年比94.9%)。「その他」は「カレー」の営業時間短縮が響き、売上げ99.3%(一昨年比86.1%)となった。
   ファミリーレストラン業態のFRは、全体的に酒類提供の自粛や時短営業が影響し、売上げは88.4%(コロナ禍前の一昨年の64.2%)に留まった。「洋風」「和風」ともに営業時間短縮と酒類販売禁止、さらにはテレワークの影響が加わり、夜遅くのビジネス街需要を取り込めず、売上げはそれぞれ93.9%と87.3%に留まった。
   「中華」は持ち帰り需要はあったものの、やはり営業時間短縮や酒類提供自粛のあおりで売上げは92.0%。「焼き肉」は酒類の提供が制限され休業した店舗もあったことから、前年比72.5%(一昨年比61.7%)の売上げに留まっている。
   パブ•居酒屋業態では先月に引き続き酒類提供制限が直撃し、依然として非常に厳しい状況が続いている。「パブ•ビアホール」は、緊急事態宣言の対象外地域で営業を再開できたところもあったが、売上げは37.1 %(一昨年比12.4%)にすぎない。「居酒屋」も酒類が提供できる日数が増えたとはいえ、売上げは42.4%。コロナ禍前の一昨年と比べて「パブ•ビアホール」「居酒屋」双方あわせて15%程度の売上げとなった。
   ディナーレストラン業態では、料理の提供は回復傾向にあるものの、酒類を提供できないことが決定的な打撃となり、売上げは85.1%(コロナ禍前の一昨年比で40.6%)に留まっている。喫茶業態は一昨年の水準には到達できなかったものの、国産食材を使用した季節メニューの提供や商店街や住宅地の店舗で集客に回復傾向が見られたことなどから、売上げは111.2%となった。