2021.12.27(月

<外食市場11月の動向>

営業制限がとれ概ね緩やかな

回復基調の一カ月(JF)

   一般社団法人日本フードサービス協会(略称:JF=ジェフ本部東京都港区、赤塚保正会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査令和3年11月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて前々年同月比も算出し掲載している。

   全体概況では全国的に約1年ぶりに営業時間短縮要請が解除され、酒類提供の制限も無くなり、好調が続くFF洋風の牽引で全体売上げはほぼ前年並みの99.8%、一昨年比で91.8%まで回復した。飲酒業態は前年比96.8%と回復の兆しが見える。11月は希望を取り戻した一カ月だが、新しい生活様式の表れか夜間の客足は鈍い。特に飲酒業態は一昨年比では51.9%と、コロナ前の半分にしか戻っておらず、マーケット回復に向け課題が多い。
   業態別概況では、ファーストフード業態のFFは引き続き「洋風」がけん引し売上げは前年比101.9%、コロナ禍前の前々年比では103.1%となった。「洋風」は時短解除により他業態に顧客が流れる動きもあるが、依然テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが堅調で売上103.6%、コロナ禍前の一昨年対比では115.2%となった。「和風」は来客が戻り新商品も好調で、売上げは102.4% となった。
   「麺類」は昼時の来店が復調し全体売上げは99.6%。「持ち帰り米飯•回転寿司」は「持ち帰り米飯」業態においてパック詰めによる商品提供が好評であったものの、要請解除による他業態への顧客流出もあり、売上げは前年比97.7 %となった。「その他」は「カレー」で持ち帰りが好調、「アイスクリーム」は各商業施設のブラックフライデーの販促などから、売上げは102.8%であった。
   ファミリーレストラン業態のFRの全体売上げは95.2%、「洋風」は時短要請から解除されたものの夜間の客足が鈍く、売上げは94.9%となった。「和風」は特に夜間の集客に苦労し93.1%。一方「中華」は引き続き持ち帰りが好調で、かつ若年女性などへ顧客層を幅広く拡大させ、売上げは100.7%。「焼き肉」は夜間来客の戻りが遅いことに加え、以前の営業時間帯に合わせた労働力確保が追い付かず、前年比では売上げ94.3%となった。
   パブ•居酒屋業態では、飲酒業態は深夜まで開店可能になったことによる集客効果があり、回復の兆しが見える。パブ•居酒屋業態全体の売上げは前年比96.8%、一昨年比では51.9%。「パブ•ビアホール」の売上げはコロナ第3波が発生しはじめた前年を超え111.4 %(一昨年比54.2%)、一方「居酒屋」は91.0%(一昨年比50.8%)と業種間で差が生じた。
   ディナーレストラン業態は飲酒業態と同様、時短要請の解除で客足が戻りはじめ、売上げは100.7%(一昨年比では80.0%)になった。酒類の解禁や持ち帰り需要も寄与し回復傾向となったが、団体需要は依然芳しくない。喫茶業態は新型コロナの新規感染者数が落ち着いたことで、商業施設や繁華街の店舗で人の流れが戻り、売上げは105.2%となった(一昨年対比では77.7%)。

   この件のお問い合わせはJF事務局 松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。