2024.02.26(月) |
<外食市場1月の動向>
コロナ規制解除後初の正月の外食需要は
おおむね堅調、だが消費は二極化傾向に
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一般社団法人日本フードサービス協会(JF=ジェフ本部:東京都港区、近藤正樹会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2024年1月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019 年同月比も算出し掲載している。
全体概況は1月は元日に能登半島地震があり、一部で宴会のキャンセルや観光の自粛が見られたが、主として人口の多い地域が牽引し、年末から引き続き外食需要はおおむね堅調、訪日外国人のインバウンド需要も都市部や人気の観光地を中心に好調だ。
外食全体の売上げは前年比109.6%、19年比113.5%となった。新型コロナの「5類」移行後初めての正月は、「ハレ的」な会食で一定の需要が継続した一方、消費者の間ではよりバリューを感じられる外食の選択が進み、利便性や費用対効果(コストパフォーマンス)が優れているメニューへの支持も強い。
業態別概況のファーストフード業態(FF)は、FFは好調が継続し、売上げ108.9%、19年比売上は128.6%となった。「洋風」は価格改定による客単価上昇のうえに、お得キャンペーンの効果も加わり、売上げは」108.1%となった。
「和風」はCMの販促効果もあり、カレーや季節メニューが好調で、売上げ113.3%。「麺類」は、繁華街や大型商 業施設で客足が回復し112.5%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、大都市圏の「回転寿司」が正月需要で堅調、 売上げ102.9%となった。「その他」は「アイスクリーム」が全国的に暖冬傾向の中で客数が増え、売れ行き好調、売上げは109.0%となった。
ファミリーレストラン業態(FR)のFRは全体売上げ110.7%、19年比では売上げ103.2%となった。FRは新年の会食需要に合わせた高価格帯商品の好調とともに、価格据え置きのバリュー商品やクーポン利用も集客に貢献し、「洋風」は売上げ109.9%。「和風」は引き続きインバウンド需要が好調で売上げは113.0%。「中華」は年始のお客様感謝キャンペーンが奏功し、売上げは111.1%。「焼き肉」は食べ放題の店舗が引き続き好調、また一部店舗では観光地のインバウンド需要が伸び、売上げ109.7%となった。
パブ•居酒屋業態では、「パブ•居酒屋」は忘年会需要が大きく伸びた前月の反動と、能登半島地震に衝撃を受けた消費者マインドにより、成人の日以降の平日は集客に苦戦したところもあったが、月末にかけてオフィス街立地の店を中心に中小規模の法人宴会が戻り、売上げは110.1%、19年比で65.7%となった。
ディナーレストラン業態は、関西では能登半島地震の影響で宴会のキャンセルが一部で見られたが、他の地域ではインバウンド需要が堅調に推移し、売上げ112.0%、19年比98.4%となった。喫茶業態は、エネルギーコストや原材料高などコストアップへの懸念は消えないが、都心部のオフィス、商店街、観光地などでは集客堅調、売上げは110.5%、19年比99.8%となった。

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