2024.06.25(火) |
<外食市場5月の動向>
物価高騰は節約志向の
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一般社団法人日本フードサービス協会(略称JF=ジェフ 本部東京都港区、久志本京子会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2024年5月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計し、従来の前年同月比に加えて2019年同月比も算出し掲載している。
全体概況は5月の新型コロナの感染対策規制が緩和され5類移行となってちょうど1年、前年より土曜日が1日少なかったものの、人流の活発化で外食全体の売上げは前年比106.3%、19年比115.0%となった。ただ、円安傾向の継続により旺盛な訪日外客需要が売上げを押し上げている一方で、物価高騰に悲鳴を上げる国内消費者はより一層の節約志向に傾き、高品質で値頃感のある商品への支持が強まっている。
業態別概況ではファーストフード業態(FF)は引き続き好調で、売上げ106.1%、19年比では127.7%となった。「洋風」は連休明けの割引率の高い販促が奏功し、売上げは104.0%。「和風」は連休後に勢いが弱まるも、モバイルクーポンなどで挽回し、売上げは110.7%となった。
「麺類」は連休明けも外国人団体客の増加、気温が高めの日の冷たい商品の売れ行き好調などで、売上げ108.0%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、物価高騰に対応した低価格路線がとくに西日本地域で好調で、売上げは102.1%。「その他」は客単価が高めの新メニューが連休明け以降好調で、売上げ112.8%となった。
ファミリーレストラン業態(FR)の全体売上げは107.0%、19年比で105.5%となった。「洋風」は12日の母の日以降減少の動きも見られたが、人気アニメとのコラボやテレビ露出などが奏功し売上げは107.6%となった。
「和風」は夜間の集客は引き続き停 滞気味だが、10人程度の小規模宴会の需要が増え、売上げ107.7%。「中華」はキャンペーンによる好調が続き、 売上げ108.3%。「焼き肉」は、値上げの影響で鈍っていた客足が戻り、高品質で値頃感のあるメニューが連休も近場で済ませる節約志向の消費者に好評で、売上げは102.8%となった。
パブ•居酒屋業態は、「パブ・ビアホール」で都心部の人流が戻りつつあり、ターミナル駅周辺での集客増が目立ち、「居酒屋」は夜遅くの集客の伸び悩みがあるものの、宴会規模は小さめだが海外からの来客も見られ、売上げ105.5%、19年比71.7%となった。
ディナーレストラン業態は連休後にやや客足が落ちたが、法人利用の鈍い回復を近畿地方をはじめとしたインバウンド需要が補い、売上げ103.3%、19年比100.5%となった。喫茶業態では、全体的な人流増が集客につながり、販促キャンペーンや季節メニューの強化と相まって、売上げ107.9%、19年比では114.5%となった。

この件のお問い合わせはJF事務局 松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。