2024.06.28(金) |
諏訪保健所管内の社会福祉施設で
ウエルシュ菌による食中毒が発生
患者は34名で、全員快方に向かう
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本日、諏訪保健所は諏訪市内の社会福祉施設「ウィズ諏訪」を食中毒の原因施設と断定し、当該施設の給食業務委託事業者に対し、令和6年6月28日から令和6年6月29日まで、2日間の営業停止を命じた。
患者は6月20日に当該施設で調理、提供された食事を喫食した入居者ら85名中の34名で、松本保健所が行った検査により、患者便及び調理従事者便からウエ ルシュ菌が検出された。なお、患者は全員快方に向かっている。
この食中毒は令和6年6月21日午前9時30分頃、当該施設職員から「施設の給食を食べている入所者60名中30名が昨夜から下痢を呈している」旨の連絡が諏訪保健所にあった。諏訪保健所による調査結果によると、患者は6月20日に当該施設で調理、提供された食事を喫食した85名中34 名(諏訪市在住)で、同日午後6時頃から下痢、腹痛、嘔吐、発熱の症状を呈していた。
患者は当該施設で調理、提供された食事を共通して喫食していたこと、松本保健所が行った検査により患者便及び調理従事者便からウエルシュ菌が検出されたこと、患者の発症状況はウエルシュ菌による食中毒の症状と一致していたこと、患者を診察した医師から食中毒の届出があった ことから、諏訪保健所は当該施設で調理、提供された食事を原因とする食中毒と断定した。この施設は6月27日昼食から営業を自粛している。
参考までに患者へ提供されたメニューは、[6月20日朝食]ごはん、なすのそぼろあん、黒豆、味噌汁、コーヒー牛乳、[6月20日昼食]ごはん、豚のおろし焼肉、ひじきの煮付け、春菊のゴマ和え、吸物、[6月20日夕食]ごはん、五目卵焼き、花野菜のくず煮、チンゲン菜土佐和え、味噌汁であった。
長野県内(長野市•松本市含む)における食中毒発生状況(本件含む)は、令和6年度10件191名(うち長野市•松本市)(4件)(129名)、令和5年度10件205名(うち長野市•松本市)(3件)(30名)となっている。
~~ウエルシュ菌による食中毒~~
[特徴]
ウエルシュ菌はヒトや動物の腸管、土壌など自然界に広く住み着いている。この菌は酸素を好まない(嫌気性)菌で、芽胞(がほう)と呼ばれる胞子のような形態をとることがあり、その状態だと熱や乾燥に非常に強い特徴を持っている。食品を大釜などで大量に加熱調理すると、中心部が無酸素状態になり、芽胞の状態で生き残ったウエルシュ菌が適温になると発芽し、活発に発育を始める。こうしたウエルシュ菌が多数増殖した食品を人が食べることにより、食中毒を発症する。
[症状]
潜伏期間は6~18時間と比較的短く、その主な症状は水様性の下痢と腹痛。多くは1~2日で回復し、特別な治療は必要ない。
[予防方法]
カレー、シチューなどの煮込み料理や野菜の煮物は、調理したらなるべく早く食べるようにしましょう。一度にたくさん作った時は、本菌の発育しやすい 45°C前後の温度を長く保たないようにしましょう。具体的には小分けしてから急速に冷却(15°C以下)し、冷蔵もしくは冷凍保存しましょう。また、食品を温め直すときは、かき混ぜながら中心部まで十分に火が通る(75°C以上)ようにしましょう。「加熱したから大丈夫」といった過信は禁物だ。
この件のお問い合わせは諏訪保健所 食品•生活衛生課 食品•動物衛生係 (担当)小船、栁澤、荻原まで(電話0266-57-2929<直通> 0266-53-6000<代表>内線2250 FAX0266-57-2953 E-mail suwaho-shokusei@pref.nagano.lg.jp)。