2024.08.26(月)

<外食市場7月の動向>
土•日が1日ずつ少なく売上げの伸びは
鈍化したが、対前年比はプラスを堅持


   一般社団法人日本フードサービス協会(略称:JF、=本部東京都港区、久志本京子会長)は協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査2024年7月度の集計結果をまとめた。「外食産業市場動向調査」は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計している。なお、2019年同月比につきましては、新型コロナの5類移行から満1年が経過したため、2024年5月度を以て掲載を終了した。
   7月の全体概況は前年より土•日が1日ずつ少なく、昨年同様の記録的な猛暑で一部で外出を控える傾向も見られたが、首都圏では夕立に見舞われたターミナル駅の店舗では雨宿り需要もみられ26日開幕のパリ五輪では一部業態の持ち帰り需要が伸びた。
   円安による訪日外国人需要も引き続き売上げを押し上げ、継続する物価高騰に対応した値ごろ感のある商品への支持も続いている。総じて外食は堅調を維持し、全体売上げは前年比104.3%となった。
   業態別概況では、ファーストフード業態(FF)は前年比売上げが104.2%となった。「洋風」は五輪開幕後の持ち帰り需要で売上げは100.9%となった。「和風」は24日の「土用の丑の日」にちなんだ鰻販売キャンペーンが奏功し、売上げは111.2%となった。
   「麺類」は猛暑に対応した冷たいメニューやサイドメニューが好評で客単価が上昇、売上げは109.2%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は比較的手頃な値段のメニューが全国的に支持され、五輪によるテイクアウト需要があったが、土日が少ない影響もあり、売上げは100.0%となった。「その他」は「アイスクリーム」でゲームキャラクターとのコラボキャンペーンが好評、売上げ103.0%となった。
   ファミリーレストラン業態(FR)は全体売上げ104.2%となった。「洋風」は昨年から改定が始まったデザートメニューが好評で、売上げ103.3%となった。「和風」は曜日回りやゲリラ豪雨の影響を受けたが、受け入れられつつある価格改定やインバウンドの好調により、売上げ107.0%となった。
   「中華」は各種キャンペーンやCMなどの販促施策が実を結び、売上げ108.8%。「焼き肉」は曜日回りの影響に加えて、高単価業態への敬遠や相次ぐ空調設備の故障などが売上げを押し下げ、売上げ98.5%となった。
   パブ•居酒屋業態では、「パブ•居酒屋」の「パブ•ビアホール」では夜間の降雨で一部のビヤガーデンに支障が出たものの、全体的にはコロナ禍からの回復途上傾向がお続き、「居酒屋」でも人流回復傾向が継続し、訪日外客による利用もあり売上げ103.4%となった。
   ディナーレストラン業態は曜日回りの影響で売上げ、客数とも前月に比べやや伸び悩んだ。また猛暑で外出を控える動きも若干見られたが、インバウンド需要は引き続き堅調。売上げは102.8%となった。喫茶業態は季節メニューが好評で、また昨年から一巡した価格改定も消費者に受け入れられ、売上げは堅調に推移。ゲリラ雷雨の雨宿り需要もあり、オフィスや駅ターミナル周辺の店舗は集客増で売上げ108.6%となった。

   この件のお問い合わせは、JF事務局の松崎、亀島、石井まで(電話03-5403-1060)。