2017.12.14(木)

45年間におよぶ”ハエ”の画期的研究(ムスカ)
『イエバエ高速培養技術』が実用化・商品化
畜産糞尿を肥料や飼料に『100%リサイクル』

 (株)ムスカ(以下、ムスカ)は、45年間1,100世代の品種改良を重ねたイエバエによる『畜産糞尿を肥料や飼料に100%リサイクルする循環システム』の実用を開始する。プロダクトである肥料と飼料は成長促進効果や病気耐性付与効果が大学で実証されており、この技術を用いて世界の食糧危機の解消を目指す。 ムスカのイエバエ循環システムとは

45年、1,100世代の品種改良により高速培養可能となったイエバエ

左:肥料(イエバエ排泄物) 右:飼料(イエバエ幼虫)
〈ムスカのイエバエ循環システムとは〉
 45年、1,100世代品種改良を重ねたイエバエにより、今まで堆肥となっていた家畜糞尿をわずか1週間で肥料と飼料に100%リサイクル可能になった。従来、家畜糞などを堆肥化するのには数カ月もの期間を要していた。また、飼料(イエバエ幼虫)は今後世界で不足が予測される畜産•養殖用の魚粉代替物としての活用が期待される。
 

〈イエバエを用いたムスカの肥料•飼料の効果〉
【肥料】
 イエバエ肥料は、生産物の糖度の上昇、収穫量の増加、成長促進、抗菌作用、根張りが良くなるなどの効果が実証されている。また土壌はフカフカになり、微生物のバランスも最適に保たれる。さらには抗菌性も持ち合わせており、土壌の病原菌を抑制する可能性も期待されている(※宮崎大学との共同研究より)。

       
【飼料】
 魚の餌となる魚粉にイエバエ飼料を混ぜて使用することで、魚粉の使用量を減らせる上、通常の餌を与えた場合に比べて、マダイの体色やサイズに大きな違いが見られた。さらに免疫性の向上や食いつきの向上、ストレス低下についても確認された(※愛媛大学との共同研究結果より)。
 

〈ムスカ独自のイエバエ〉
 ムスカのイエバエは、旧ソビエト連邦で研究が始まってから45年間、1,100世代に渡って品種改良され続けてきた。このムスカ独自のイエバエは、普通のイエバエよりも成長速度が速く、高密度で飼っても死ににくく、一度に大量の卵を産卵する品種でいわばイエバエ界のサラブレッドだ。
〈世界の食糧危機の解消に福音〉
 国連によれば現在約8億1500万人が飢餓状態にあると言われている。これは9人に1人の計算になる。さらにアフリカでは4人に1人が栄養不良。近年飢餓人口は減少していたが、2017年では再び増加傾向に転じたとの報告が上がった。
 そうした背景の中、現在世界中で畜産の飼料に魚粉を用いるが、この魚粉も天然資源であり有限だ。ムスカは人口増加によりこれからますますニーズが拡大していく畜産や養殖を支えるために必要不可欠な魚粉の代替物を提供することで天然資源の枯渇を防ぐとともに、副産物である肥料による農作物の収量アップなどを通じ、世界の食糧危機の解消に貢献し得る可能性を持っている。
〈「フード・アクション・ニッポンアワード」優秀賞•入賞〉
 食料自給率向上に寄与する優れた事業者•団体などの取り組みに贈られる「フード・アクション・ニッポンアワード」にて2012年度、ムスカの技術は優秀賞を受賞した。また2013年にも入賞を果たした。

 

〈今後の予定〉
 (株)ムスカは今年度、肥料•飼料の一般向け販売、および業務用サンプルの出荷を予定している。今後、ムスカでは大規模プラントの建設やさらなる技術革新によって、肥料と飼料の製造コ ストを一般市販品以下に引き下げ、以って世界の食糧危機の解消に貢献する。
〈会社情報〉
社名:株式会社ムスカ
住所:<本社>福岡市博多区博多駅東1-12-17-3F <ラボ>宮崎県児湯郡都農町川北7650-1
代表:代表取締役 串間充崇
設立:2016年12月5日
資本金:2001万円
Web: http://musca.info/

 この件のお問い合わせ先は(株)ムスカ広報 (担当)流郷綾乃まで(電話080-6203-0109<担当者直通> Email: info@musca.info <担当者直通>)。