2018.06.28(木)

ICT技術で農作業の省力化・省人化を実現する

自動運転トラクター(オートトラクター、ロボット

トラクターを10月1日に発売(ヤンマー)

   ヤンマー(株)のグループ会社であるヤンマーアグリ(株)(本社大阪市、北岡裕章社長)は、位置情報やロボット技術などのICTを活用して農作業の省力•省人化、効率化を実現する自動運転トラクターを10月1日より順次発売する。同社の自動運転技術搭載機種は「SMARTPILOT」シリーズとしてラインアップを強化していく。

「YT5113A」ロボットトラクター仕様


 
 近年、農地の集約による経営の大規模化や就農者減少•高齢化による人手不足といった課題を抱える農業分野において、ICTを活用した作業効率化が求められている。同社は作業の省人化を実現する無人運転のロボットトラクターに加え、最小限の操作を有人で行い、経験や勘に頼っていた高精度な作業を自動化して省力化を実現するオートトラクターをラインアップした。さらに、すでに所有しているYTトラクターを改装することでオート、ロボット仕様にアップグレードすることも可能だ(※1)。今後もヤンマーは、ICTを活用したさまざまな商品•サービスを提供することでお客様の作業省力化•効率化を目指し、持続可能な農業の発展に貢献して行くとしている。
 
<商品概要>
1.オートトラクター(YT488A/498A/4104A/5113A)
■発売日:2018 年10月1日
■商品価格:10,725,000円~14,075,000円(税抜、メーカー希望小売価格)
2.ロボットトラクター(YT488A/498A/4104A/5113A)
■発売日:2018 年10月1日  
■商品価格:12,145,000円~,15,495,000円(税抜、メーカー希望小売価格)
販売目標:オートトラクター、ロボットトラクター、アップグレードキット含め年間100台
 
ロボトラ作業映像

主な特徴
(1)作業内容やオペレーターに応じて設定可能な2つの自動運転モード
   「直進モード」では直進のみを自動で、旋回などの運転操作は手動で行う。「オートモード」では自動直進に加え、旋回にともなうハンドル操作と作業機の昇降などの操作を自動で行う。これらのモードは切り替えが可能で、オペレーターの人数や作業者のスキル、作業内容に応じて設定することができる。直進のみ
 

直進のみを自動で行う「直進モード」イメージ(左)、自動で作業を行う「オートモード」(右)
 
(2)タブレット操作と高精度な位置情報による作業性の向上
 操作•設定には防塵•防水性に優れた10.1インチのタブレットを採用。タブレット内の情報はアイコンやイラストで表示し、作業領域や経路作成、運転中の軌跡確認など、簡単な操作が可能だ。また、2台のトラクターでの協調作業時には、随伴(あるいは併走)する有人トラクター内にて近距離監視を行いながらタブレットにより無人トラクターを操作する。
 また、RTK-GNSS(※2)を活用し、衛星(GNSS)と基地局からの電波で位置情報を取得してトラクターに補正情報を送る。オプションでヤンマー独自の基地局を設置することで高い精度での補正情報取得が可能になる。

2台のトラクターによる協調作業


タブレットでの操作•設定画面


 
( 3)安心して作業ができる充実した安全装置(ロボットトラクターのみ)
 無人での運転•作業を行うロボットトラクターでは、レーザーや超音波で物体との距離を計測するセンサーや、全方向から自動走行の状態を確認できる3色のセーフティランプを設置し、周囲の安全を確保している。自動運転中にエンジンが停止すると自動でブレーキがかかるセーフティブレーキも備えている。

人や障害物を検知する安全センサー(左)、3色のセーフティランプ(右)


 
(4)既存のYTトラクターから自動運転仕様へのアップグレードに対応(※1)
 すでにYTトラクター(YT488A/498A/4104A/5113A/490/5101/5113)を所有されている方は、工場オプションにてオート仕様、ロボット仕様にアップグレードすることが可能。新たにトラクターを購入しなくても自動運転仕様にすることができる。

「YT5113A」オートトラクター仕様


 
※1同社工場での改装が必要(ファクトリーオプション)。改装キットの種類により、対応できる機種は異なる。
※2RTK-GNSS RTK(Real Time Kinematic)とは、既知点からの補正観測情報を携帯電話や無線を利用してトラクターに送信しトラクターの位置をリアルタイムで測定する方法。GNSS(Global Navigation Satellite System)はGPSやGLONASSなどの測位システムの総称。
 
<ヤンマーについて>
 1912年に大阪で創業したヤンマーは、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功した。以来、産業用ディーゼルエンジンを事業の柱とし、さまざまな市場へ商品•サービス•ノウハウを融合したトータルソリューションを提供する総合産業機械メーカーだ。小型エンジン、大型エンジン、農業機械•農業施設、建設機械、エネルギーシステム、マリン、工作機械•コンポーネントの7事業を有し、グローバルにビジネスを展開している。
「わたしたちは自然と共生し、生命の根幹を担う食料生産とエネルギー変換の分野でお客様の課題を解決し、未来につながる社会とより豊かな暮らしを実現します」をミッションステートメントに掲げ、世界の「都市」「大地」「海」の事業フィールドで、資源循環型社会“A SUSTAINABLE FUTURE”実現への貢献を目指している。
  詳しくはヤンマー(株)ウェブサイトhttps://www.yanmar.com/jp/about/をご覧ください。
 
  ちなみにヤンマー(株)は 水産・農林業 で、本社を大阪府大阪市北区茶屋町1-32 YANMAR FLYING-Y BUILDINGに置く。代表者は山岡健人氏、上場は未上場。