2022.12.07(水)

<調査>タキイ種苗「2022年野菜の総括」年の瀬恒例!今年の野菜に
関するアレコレを振り返る! 行動制限緩和の2022年「野菜の摂取意欲」
さらに高まる。野菜価格高騰への対策そろそろ限界も

   タキイ種苗(株)(所在地京都市下京区、瀧井傳一代表取締役社長)は、2022年の年末を前に400人の男女を対象に「野菜」に関する調査(インターネット調査)を実施した。本調査は(2015年~毎年実施)今年で8回目となり、今年ならではの「野菜」の世相を明らかにした。「2022年の野菜の総括」として報告している。
  2022年4月の行動制限緩和後も一段と慎重な生活をし、「外出」「外食」を減らし「おうち時間」を活用して「自炊」を増やした人が多い結果に。
◎2022年、食べる機会が多かった野菜は1位「たまねぎ」、2位「キャベツ」。4年連続不動のワンツー!
◎野菜の値段が高かったと感じた人の割合は過去最高を記録。

■食べる機会が多かった野菜は、4年連続で1位「たまねぎ」2位「キャベツ」。
 昨年はトップ5圏外になっていた「きゅうり」が3位、「トマト」が4位に返り咲き。代わって「もやし」がランクダウン、「にんじん」「ねぎ」がトップ5圏外になった。
■「今年は野菜の値段が高かった」と感じた人の割合は過去最高に。
 特に高いと感じたのが「たまねぎ」「トマト」「キャベツ」でしたが、これらは高くても買う野菜の上位にも入っている。「たまねぎ」は価格の高騰からか、購入量が減った野菜でも1位でした。
■約8割が創意工夫して野菜を食べているものの、工夫の余地には限界も。
 「スーパーで見て安いものを買っている」「もやしなど比較的安価な野菜で補足・代替している」「料理に必要な最低限の野菜のみ買っている」が不動のトップ3。一方「工夫は特にしていない」が20%を超え過去最高になった。
■2022年4月以降行動制限が緩和されても、一段と慎重な行動を続ける傾向が見られる
  「外食の頻度」「外出の頻度」「運動する機会」は増えた人より、むしろ減った人の方が多くみられ、反面「自炊の頻度」「自宅で過ごす時間」「テイクアウト•出前での食事の機会」は増えた人が上回った。報道でよくみられる「3年ぶりの行動制限のない〇〇」とは逆の印象だ。
■約6割が自分や家族がほぼ毎日料理している「内食派」
【タキイ種苗 野菜に関するアンケート調査】
◆調査期間:2022年11月4日(金)~7日(月)            
◆調査方法:インターネット調査
◆有効回答数:400サンプル
※グラフはすべて%。本リリース上のスコアの構成比(%)は、小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合もある。 


今年食べる機会が多かったのは、4年連続で1位「たまねぎ」2位「キャベツ」。
「きゅうり」が躍進、「トマト」は復活へ!
   「2022年に食べる機会が多かった野菜」は、「たまねぎ」(62.0%)が4年連続の1位、「キャベツ」(59.5%)も4年連続で2位となり、トップ2の人気が継続している。一方、昨年は5位以下に低下していた「きゅうり」(49.5%)「トマト」(48.0%)が5位内に復活、代わって「もやし」(45.8%)がランクダウンする結果となった[図1]。 

(※1)参照:「2018年の野菜の総括」https://www.takii.co.jp/info/news_181210.html
                  「2019年の野菜の総括」https://www.takii.co.jp/info/news_191209.html
                  「2020年の野菜の総括」https://www.takii.co.jp/info/news_201207.html
                  「2021年の野菜の総括」https://www.takii.co.jp/info/news_211207.html


①コロナ禍が続く中で野菜価格の高騰を実感したのは過去最高の78.8%
 コロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻に起因する急激な円安、エネルギー高騰に天候不順が相次いで発生した2022年、日常生活に欠かせない野菜の価格にも大きな影響が及んだ。今年は例年に比べて野菜の値段が高かったと「思う」と答えた人が大幅に増えた昨年の68.1%から10.7ポイント増え、78.8%の人が野菜の値上がりを実感していたことがわかった。記録的豪雨や猛暑の影響で野菜の価格高騰実感が高まった2018年(77.7%)を上回り、過去最高となった[図2]。

②「いつも買う野菜」なので「値段が高くても買う」が、「例年に比べて高いと感じた」「購入量が減った」野菜の代表が「たまねぎ」。

③価格が高騰しても、約8割が「工夫して野菜を食べている」。

ただ、工夫のしかたに新たなトレンドは見られない。

   「野菜の価格が高騰した際に創意工夫していること」では、1位は「スーパーで見て安いものを買っている」(50.3%)でした。2位「もやしなど比較的安価な野菜で補足•代替している」(30.3%)4位「安くなったタイミングでまとめ買いしている」(24.0%)など、価格高騰の中で少しでも安く買おうとする消費者の工夫が見て取れる。こうした傾向は男性より女性に強く表れている。
   そのほか3位「料理に必要な最低限の野菜のみ買っている」(26.5%)とあり、購入量を抑え計画的な購入をされている。フードロス対策の観点からも好ましい工夫かもしれない。上位5項目は、一部順位が入れ替わっているものの過去3年内容が同じで、工夫のしかたが固定化しているようだ。一方で「特にしていない」が全体の20.3%%(男性:30.0%、女性:10.5%)に上っており、2020年の12.3%、2021年の18.4%から増加している。もはやこれ以上、工夫のしようがないとのあきらめすら感じ取れる[図7]。

   4月以降行動制限が緩和され、「3年ぶりの制限のない〇〇」のフレーズをニュースで聞くことが増えた2022年。ウィズコロナに舵を切ったとはいえ、いまだ収束を見ないコロナ禍。生活行動は「一段と慎重」になっている。
 
外食「増えた」20.6%も「変わらない」は約4割、「減った」は36.5に上る。

   行動制限の緩和は、人々の「外食の頻度」にどの程度の影響があったのでしょうか。「増えた」(「とても増えた」「やや増えた」合計20.6%)が20.6%にとどまる一方「変わらない」(43.0%)、「減った」(「とても減った」「やや減った」合計36.5%)に上り、行動制限緩和後も、多くの人は未だ外食を控えるスタンスを変化させていないようだ[図8]。
②行動宣言緩和後も続く「自炊の習慣」

 
   外食を控える人が多い中、「自炊の頻度」については「変わらない」(62.8%)が最も多く、「増えた」(「とても増えた」「やや増えた」合計33.3%)人が3割を超え、昨年を上回った。一方、「減った」(「とても減った」「やや減った」合計4.1%)人はほぼいないことがわかった。行動制限緩和後も自粛期間中に根付いた自炊習慣がさらに浸透している様子がうかがえる[図9]。
③「テイクアウト•出前」が増えた人は約2割。コロナ禍で食生活の変化が継続か

   外食控えと自炊習慣を多くの人が続けているなか、「テイクアウト、出前での食事の頻度」については、「増えた」(「とても増えた」「やや増えた」合計23.6%)は2割を超え、「変わらない」(65.8%)は約7割となり、コロナ禍で定着したテイクアウトやデリバリーの習慣が続いているといえそうだ。全体を通して、自粛生活で定着した新習慣が継続しているという結果になった[図10]。

   ①毎日ほぼすべての食事を自分または家族が調理している「内食派」が、合わせて60.3%。
「一部は外食•中食を採り入れて、ほか多くは自身または家族が調理している」ほぼ内食派を加えると89.1%に上り、ほぼ9割が「自炊がメイン」との結果となった。コロナ禍が長期化し、自宅で過ごす時間が増えたことで、自炊が習慣化した結果かもしれない[図11]。

②行動制限が続いた期間も、行動制限が緩和されてからも、コロナ禍以前より
 行動制限が続いた「2020年4月から2022年3月まで」とコロナ禍以前で、自宅での野菜の摂取量が「とても増えた」「やや増えた」を合わせると19.3%。行動制限が緩和された「2022年4月以降」とコロナ禍以前の比較では、自宅での野菜の摂取量が「とても増えた」「やや増えた」を合わせると14.8%。ともに「とても減った」「やや減った」を上回っている。ただ、行動制限が緩和された「2022年4月以降」は増えた割合が下がっている[図12]。

③自宅での野菜摂取量が減った理由は、「飽きてしまった」「外食が増加した」「調理疲れ」がトップ3。
   「野菜の食べ方のバリエーションが少なく、飽きてしまったから」が1位で28.1%。25.0%で同率2位の「調理をすることに疲れを感じたから」と合わせ、自宅での「内食疲れ」を感じている人が多いようだ。同率2位の「外食が増加したから」(25.0%)、4位の「リモートワークやリモート授業が減り、自炊する時間が無くなったから」(12.5%)のように、自宅で野菜を摂取する機会が減ったことも要因にあげられる[図13]。


①野菜について知りたいのは「家庭での保存のしかた」が1位。
 野菜を買い過ぎてしまったり、保存中に腐らせてしまった経験が多いのか、「保存のしかた」に関心が高まっている。2位「食べ方/調理のしかた」、3位「選び方」は野菜を美味しく食べたいとの意欲の表れと見てとれる。前問で摂取量が減った理由トップが「野菜の食べ方のバリエーションが少なく、飽きてしまったから」だったことから、飽きが来ないようバリエーションを身に付けることが、野菜摂取の機会増加につながりそうだ[図14]。