2020.05.26(火)

植物肉スタートアップのDAIZ、シリーズAで

総額6.5億円の資金調達を実施、累計調達額は

12億円に(DAIZ Inc.)

   大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)を開発•製造するスタートアップであるDAIZ(株)(本社熊本県熊本市、井出剛代表取締役社長、以下「DAIZ」)は、シリーズAラウンドで(株)農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)、三菱UFJキャピタル(株)等の5社を引受先とする第三者割当増資により、総額6.5億円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は12億円となった。

上段: 落合式ハイプレッシャー法で栽培した発芽大豆、下段:DAIZの植物肉原料(ミラクルチップ)
 
■資金調達の背景と目的
 この度の資金調達は、DAIZの植物肉原料(ミラクルチップ)の生産体制の拡大と研究開発(R&D)の強化を目的に実施した。調達した資金は主に下記の使用用途を予定している。
・日本初となる植物肉原料生産ラインの拡張(特許技術「落合式ハイプレッシャー法」を活用)
・本物の肉の味に近づけるためのR&D(「AIプロファイリング技術」の開発)
   DAIZは植物肉の研究開発と生産供給体制の確立を目指し、年内に植物肉原料(ミラクルチップ)3,000トン/年の生産キャパシティの確保を目標としている。
■今後の展開
 DAIZは植物肉原料(ミラクルチップ)を提供するサプライヤーとして、大手食品メーカーや小売•流通企業への販売を主軸として行く。今後は国内だけでなく、グローバル展開も見据えている。DAIZは事業拡大を通じて、「第四の肉として植物肉を食す」という食文化の創出•浸透を図り、植物肉市場の発展に貢献して行く。
 なお、DAIZは2021年に熊本県内に国内最大級の植物肉工場建設を計画しており、2020年内にシリーズBラウンドの資金調達を実施する計画だ。更に「植物肉で世界を目指すスタートアップ」として、東京証券取引所マザーズ市場への早期の株式公開を目指している。
■引受先の概要
( 株)農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)(東京都千代田区麹町2番1号、光増安弘代表取締役社長) http://www.a-five-j.co.jp/
  三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合(三菱UFJキャピタル(株))(東京都中央区日本橋二丁目3番4号、坂本信介代表取締役社長) https://www.mucap.co.jp/
  OCP1号投資事業有限責任組合(岡三キャピタルパートナーズ(株))(東京都中央区日本橋一丁目7番17号、高松重之代表取締役社長) http://okasancp.com/
  ( 株)ニチレイフーズ ( 東京都中央区築地六丁目19番20号 ニチレイ東銀座ビル、竹永雅彦代表取締役社長) https://www.nichireifoods.co.jp/   ※2020年1月29日プレスリリース「植物肉スタートアップのDAIZとニチレイフーズ、資本業務提携を締結」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000052858.html
  ( 株)果実堂 ( 熊本県上益城郡益城町大字田原1155番地5 熊本テクノリサーチパーク内、高瀬貴文代表取締役社長) https://www.kajitsudo.com/
 
■DAIZの大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)について
 2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されている※1。世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されている。そこで「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場は世界で9兆円を超えると見込まれている※2。
   第四のお肉である植物肉が、牛肉•豚肉•鶏肉と同じように食卓に並ぶ時代が到来している。これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物であったため、①味と食感に残る違和感②大豆特有の青臭さや油臭さ③肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていた。DAIZは独自の技術により、これらの課題を解決する植物肉原料(ミラクルチップ)の開発に成功した。
 
特徴1.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現
 味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」※3で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させる。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機) ※4にかけ、膨化成形技術※5により、肉のような弾力と食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉原料(ミラクルチップ)を製造している。
特徴2.独自製法による価格競争力
 旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして、植物肉原料が完成している。発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉•豚肉•鶏肉に対し、価格競争力がある。
特徴3.大学との共同研究に裏付けされた技術
   共同研究機関として下記の大学と連携している。
 九州大学(松井利郎教授):植物肉原料に含まれる旨味成分の評価
 京都大学(後藤剛准教授):植物肉原料の栄養素の吸収性評価
   佐賀大学(穴井豊昭教授):非遺伝子組み換え大豆からオレイン酸リッチ大豆の育種
※1国連推計「世界人口推計2019年版」より。※2UBS調べ。※3大豆の発芽中に酸素•二酸化炭素•温度•水分などの生育条件を制御し、大豆の旨味を引き出す栽培法(特許第5722518号)。※4食品加工時に使用される機械。材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練•加工•成形•膨化•殺菌等を行う装置。※5特許申請準備中。
 
■DAIZのサスティナビリティ、地球温暖化の解決に寄与する植物肉
 昨今、地球温暖化が私たちにとって大きな課題となっている。国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」に対し、DAIZは地球温暖化の解決に寄与する「植物肉」を普及させることにより、目標達成に向けて貢献している。
 地球温暖化は、二酸化炭素•メタン•一酸化炭素•フロンなどの温室効果ガスが原因と言われている。温室効果ガスの最も大きな排出源は電力(火力発電など)だが、同等に大きな排出源となっているのが、農業•畜産業※6。世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっており、私たちの食生活の見直しが求められている。
 植物肉は畜産に代わる「次世代のお肉」として、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品だ。地球温暖化を防ぐため私たちが今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れること。牛•豚•鶏に次ぐ「植物肉」の普及を通じて、DAIZはサスティナブルな世界を目指して行く。
※6 IPCC「Global Greenhouse Gas Emissions Data」より。

DAIZ の開発した植物肉メニュー
■会社概要
  商号:DAIZ株式会社(https://www.daiz.inc/
   代表者:代表取締役社長 井出剛
   所在地:〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目1番1号 テルウェル熊本ビル7階
   設立:2015年12月1日
   資本金:4億2,500万円(累計資本調達額12億円)
   事業内容:大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)の開発•生産及び販売
                  大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)を用いた食品の開発•生産及び販売
      この件に関するお問い合わせはDAIZ(株) 執行役員CFO経営企画部長 小板橋達也まで(電話 096-363-8800  MAIL:info@daiz.inc)。